ふだんの話し声
歌ったあと・日ごろ
いつのこと: 日ごろ
ふだんの話し声は、歌より長い時間、声を使っている場面。
どういうこと?
歌う時間は短くても、話す声は毎日続いています。歌い手の実験では、伴奏が大きくなると訓練のない人ほど声が大きくなり(ロンバード効果)、その反応は訓練を受けた人より強いと分かりました。騒がしい店でふだんより声を張るのも、同じ反応が働くと考えられます。乾いた空気を22分吸った女性30人では、声の努力感の自己評価が上がりました。
どうするか
うるさい場所では声を足すより、相手に一歩近づくほうが早いです。音の強さは距離の2乗に反比例すると、大学の物理教材は説明します。ただし反射のない場の話で、店の中では効きが弱まります。話す時間が長いときは、区切りに水を含んで、短く休むのが勧められます。水と短い休みを入れた群のほうが、カラオケ歌唱を長く続けられました(水と休みは分けて測られていません)。
注意
ほとんどの人のささやき方は声に良くなく、大声と同じくらい負担がかかることもある、と耳鼻咽喉科の医師らは書いています。ボイストレーナーのいくちゃんねるも、ささやき声で喉を使いすぎると痛めると話しています。せき払いも声帯をこすり合わせるので、一度の咳に置き換えるよう勧めています。全身の水分補給は、最も手軽で安い方法だと系統的レビューは結びます。かすれが続くなら、耳鼻咽喉科へ。
出典
- 論文・英語 Bottalico P・Graetzer S・Hunter EJ/Journal of Voice(2016) Effect of Training and Level of External Auditory Feedback on the Singing Voice: Volume and Quality
- 論文・英語 Kaya T・Yılmaz G・Zraick RI ほか/Journal of Voice(2025) The Effect of Laryngeal Dehydration and Nebulized Osmotic Agents on the Voice
- 論文・英語 Yiu EM・Chan RM/Journal of Voice(2003) Effect of hydration and vocal rest on the vocal fatigue in amateur karaoke singers
- 論文・英語 Alves M ほか/Journal of Voice(2019) The Effect of Hydration on Voice Quality in Adults: A Systematic Review
- 公的機関 R. Nave(ジョージア州立大学 HyperPhysics) Inverse Square Law for Sound
- 公的機関・英語 Lesley Childs, M.D. ほか/UT Southwestern Medical Center Voice Care Information from UT Southwestern ENT Specialists
- 動画 いくちゃんねる 【カラオケで使える】ウィスパーボイス/ささやき声のやり方・出し方・練習法
解説動画: 【話し声】喉声の直し方!響かない・かれるを解消&2つのお知らせ/ココウィズちゃんねる
話し声が枯れる大もと: しゃべっていて声が枯れる、イガイガする、響かない。その最大の原因を喉の力みだとしている。声を出すときに喉を締め、肩や首まで硬くなると、出ないぶん更に力むという悪循環に入る。ただ「リラックスして」と言われてもできないので、呼吸を手がかりにする。
声が外に出るまでの道: 肺から上がった空気が声帯を震わせて声の原音になり、喉の奥・口・鼻の空間で増幅されて大きくなる。それを舌や唇、歯ぐきで言葉にしている。土台は息の流れで、喉声だと出口が細くなるぶん原音がポンと出られず響かない。細い出口に息を通すので喉へ過剰な負担がかかって枯れる、という順で説明する。
吸うときのスースー感: 鼻から(詰まっていれば口から、上あごに沿わせるように)ゆっくり深く吸い、空気が鼻の奥から喉の奥へ抜けていくスースーする感じを覚える。この感覚をつかめているとき、喉は力の抜けた状態になっている。まずこの吸い方だけを何度か繰り返す。
吐かずに戻す: 吐くときは吐こうと力を入れない。入った息が、広がった空間を保ったまま自然に戻ってくるのに任せる。その戻る息に声を乗せると、楽なのによく響く声が出る。会話でもスピーチでも中身は同じで、ふだんの練習で感覚を覚えて習慣にしていく、という組み立て。
緊張する場面での対処: 家族や友人となら平気なのに、人前だと喉声になる人が多い。緊張すると筋肉が硬くなり、呼吸も胸式で浅くなるため、喉声になりやすい状態ができあがる。気づいたら本番の前に、深く吸って自然に戻す呼吸をウォーミングアップとして一度通しておくとよい、としている。