ふだんの話し声

歌ったあと・日ごろ

歌より長い時間、声を使っている場面

どういうこと?

歌う時間が月に数時間でも、話す時間は1日に数時間あります。声を痛めるのは歌より日常の使い方だったという例は多く、騒がしい店での会話、長電話、遠くへの呼びかけが積み上がります。とくに張り上げた地声は歌のどのフレーズより負担が大きく、週末だけ休んでも追いつかない状態になりがちです。

どうするか

うるさい場所では声を足すより、相手に一歩近づくほうが早くて楽です。電話はあごを引いて低めの高さで話し、30分を超えたら一度切って水を含みます。ささやき声は楽そうに見えて喉が張るので、小声より短い普通の声を選びます。人を呼ぶときに声の代わりに手や姿を使うと、夜まで声が残ります。

注意

仕事柄どうしても話す量を減らせない人はいます。その場合は歌う日と話し切る日を分けるのが現実的な守り方です。声を使い切った日の夜にカラオケを入れると、回復の余地がないまま次の負担が乗ります。金曜の夜より土曜の昼のほうが声は素直に出ます。ふだんのかすれが当たり前になっているなら、一度耳鼻咽喉科へ。

解説動画: 【話し声】喉声の直し方!響かない・かれるを解消&2つのお知らせ/ココウィズちゃんねる

話し声が枯れる大もと: しゃべっていて声が枯れる、イガイガする、響かない。その最大の原因を喉の力みだとしている。声を出すときに喉を締め、肩や首まで硬くなると、出ないぶん更に力むという悪循環に入る。ただ「リラックスして」と言われてもできないので、呼吸を手がかりにする。

声が外に出るまでの道: 肺から上がった空気が声帯を震わせて声の原音になり、喉の奥・口・鼻の空間で増幅されて大きくなる。それを舌や唇、歯ぐきで言葉にしている。土台は息の流れで、喉声だと出口が細くなるぶん原音がポンと出られず響かない。細い出口に息を通すので喉へ過剰な負担がかかって枯れる、という順で説明する。

吸うときのスースー感: 鼻から(詰まっていれば口から、上あごに沿わせるように)ゆっくり深く吸い、空気が鼻の奥から喉の奥へ抜けていくスースーする感じを覚える。この感覚をつかめているとき、喉は力の抜けた状態になっている。まずこの吸い方だけを何度か繰り返す。

吐かずに戻す: 吐くときは吐こうと力を入れない。入った息が、広がった空間を保ったまま自然に戻ってくるのに任せる。その戻る息に声を乗せると、楽なのによく響く声が出る。会話でもスピーチでも中身は同じで、ふだんの練習で感覚を覚えて習慣にしていく、という組み立て。

緊張する場面での対処: 家族や友人となら平気なのに、人前だと喉声になる人が多い。緊張すると筋肉が硬くなり、呼吸も胸式で浅くなるため、喉声になりやすい状態ができあがる。気づいたら本番の前に、深く吸って自然に戻す呼吸をウォーミングアップとして一度通しておくとよい、としている。