半音の聞き分け
音程を合わせる
隣り合う音の違いを耳で捉える力
どういう技術?
半音は、鍵盤で隣り合う音どうしの距離です。日本語の歌はこのいちばん狭い一段をまたぐ動きが多く、ここが曖昧だと、なんとなく合っているのに気持ちよくない歌になります。聞き分けは生まれつきの才能というより、同じ二つの音を比べた回数で育つ力で、大人になってからでも伸びます。まず、違いがあること自体に気づくところから始まります。
やり方
キー変更のボタンを使うのがいちばん手軽です。同じ一節を原曲のまま歌い、続けてプラス1に上げて同じ一節を歌うと、変わった幅が半音ぶんだと体で分かります。上げると明るく張った感じ、下げるとぶら下がった感じになる、その手触りごと覚えるのが近道です。上げた版と下げた版を続けて歌えば、差はもっとはっきりします。
練習のしかた
移動の合間に一日3分、同じ二つの音を頭の中で行き来させます。部屋では伴奏なしで一音を伸ばし、半音だけ上げて戻る動きを10往復。ずれても途中で止めず、続けるほうが伸びます。ただし半年から一年かかる人が多く、数回のカラオケで変わる種類の力ではありません。うまくいかない日は回数を減らして構いません。
やりがちなミス
自分の声だけを頼りに確かめると、外れた高さをそのまま正しいと覚えてしまいます。伴奏か画面の音を必ず横に置いてください。疲れた喉で長く続けると、耳が育つ前に声のほうが傷みます。まとめて一時間より短く毎日のほうが結局は速く進みます。伸びないと感じても、向いていないのではなく、まだ回数が足りないだけのことが多いです。
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外すのは耳より制御の問題: 外し方は4つに分かれる。高さがまったく分からない、なんとなく分かるが確信が持てない、高さは分かるがコントロールできない、分かっていて出せる。何千人も指導してきた実感ではほとんどが3番目で、聞き分けよりも狙った高さに声を置く側で外れているという。
声はアナログ、音階はデジタル: アナログ時計の針が30分と31分の間をすべて通るのと同じで、人の声は隣り合う音の中間も出せてしまう。対してピアノのような楽器は間の音を持たず、とてもデジタル的。音楽はこのデジタル的な音階でできているので、声の側をその音階に乗せる感覚を育てないと音痴に聞こえる、という組み立て。
半音は12種類・幅は同じ: 1オクターブの中に音の種類は12種類しかなく、しかも隣どうしの幅はどこも等しい。段差がばらばらの階段は上り下りが気持ち悪い、という例えで説明される。この半音1つ分の幅を感覚で覚えると、鍵盤で確かめなくても音程の距離感がつかみやすくなる。
隣へ上がって戻る往復練習: 練習はある音から隣へ半音上がって、また戻るの往復。同じ幅を行き来して感覚に入れておくと、鍵盤を鳴らす前でも次の音を出せる、と実演してみせる。声を出す前に今出している音からどれくらい離れているかを想像することが要で、この距離感をつかむイメージ力が必須だと繰り返している。
点で捉える・しゃくりの扱い: 狙った音は頭からお尻まで同じ音程が続くようにする。話し手はこれを点で捉えると呼び、外す人はたいてい音程をまっすぐキープできていないと指摘する。下から曖昧に上がるしゃくりは、たまのスパイスなら有効でも毎回やると音程もリズムも定まらない。カラオケ採点でしゃくりが加点要素になっていることには疑問だとも述べている。