出だしの音の取り方

音程を合わせる

出だしの一音を伴奏から拾うやり方

どういう技術?

歌い出しの一音は、直前の伴奏の中にほとんど必ず隠れています。前奏の最後の和音やベースの動きが、次に来る高さをこちらへ手渡してくれるからです。ここを外すと耳がその高さを基準に置いてしまい、フレーズ全体が同じ分だけずれることがあります。最初の一音に一曲分の重みがあると思って前奏を過ごすと、あとの直しがぐっと減ります。

やり方

前奏の間、口を閉じたまま鼻から小さく声を出して伴奏に混ぜます。高さが合うと頭の中の響きが太くなるので、そこで分かります。入る二拍前に息を吸い、その勢いをそのまま最初の言葉にする。出だしだけ少し小さめに置いておくと、外れたときに直す余裕が残ります。うまく入れた感覚は、次の一節の安定にもそのまま残ります。

練習のしかた

曲の頭20秒だけを、演奏停止と再生を繰り返して五回続けて歌います。通しで歌うより、頭だけを何度も回すほうが早く身に付きます。慣れてきたら前奏を聞かずに歌い出してみて、どれくらいずれるかを確かめる。合う日と合わない日の差が縮むまでには、同じ曲でも四、五回ぶんの来店はかかります。歌う曲を変えても、手順はそのまま使えます。

やりがちなミス

前奏の間に飲み物を飲む、話す、マイクを持ち替えるのは、耳が伴奏を手放してしまうのでいちばんもったいない場面です。緊張して息を止めたまま入ると声が固まり、高さも上がりきりません。入る直前に肩が上がっていないかだけ確かめてください。ブレスの位置を先に決めておくと、出だしの一音も自然と揃ってきます。