2022年 インフレと金利上昇
世界の暴落
株と債券が、同時に下がった年
何が起きたか
世界的な物価上昇を受けて、各国の中央銀行が急速に政策金利を引き上げました。金利の上昇は債券価格を押し下げ、同時に、将来の利益に価値を置く成長株を直撃します。株式と債券が同時に大きく下落するという、長年の前提を崩す年になりました。
どれくらい下がったか
S&P500は年初から10月の安値まで約25%下落。米国総合債券インデックスは年間で二桁のマイナスという、統計開始以来まれな下落を記録しました。日本の投資家は円安によって円建ての損失が緩和されました。
戻るまでにかかった時間
S&P500が高値を回復したのは2024年初、約2年です。債券の回復はより緩やかでした。
ここから学べること
「株が下がれば債券が上がる」は、常に成り立つ関係ではありません。この前提は、物価が安定していた時期に観測された経験則です。分散は保険ではなく、平時の揺れをならす道具だという理解が要ります。同時に、為替が緩衝材として働くこともある、という実例でもありました。
解説動画: 【資産運用】資産運用って、インフレ対策になるの?│投資Q&A/金融経済教育推進機構 (J-FLEC) チャンネル
インフレとは何が起きている状態か: 物やサービスの価格が上がり、お金の価値が相対的に下がる状態。100円で買えていたチョコレートが200円になれば、同じ金額で買える量が減る=お金の価値が下がったことになる、という説明から入る。
預金がどうなるか: 100万円を年0.002%の金利で20年預けても増えるのはおよそ400円。一方、いま100万円の自動車は物価が毎年1%ずつ上がれば20年後に120万円になる。つまり預けていた100万円では買えなくなる。数字で並べると、金利と物価の差がそのまま購買力の目減りだと分かる。
「預金は安全」の意味: 預貯金しか持っていないと、資産の価値が減ってしまう可能性があると明言している。値動きが無いことと、価値が保たれることは別だという論点が、公的な立場から示されている数少ない動画。
解説動画: 第15回 株価を動かす力②~インフレーション・デフレーションと景気~/金融経済教育推進機構 (J-FLEC) チャンネル
インフレは2種類ある: 需要が供給を上回って物価が上がる場合と、需要が増えていなくても原材料などの値段が上がってインフレになる場合がある。後者は必ずしも景気が良くなるわけではないと明言されており、2022年に起きたことの理解に直結する。
景気と株価のつながり: 需要が増えるタイプのインフレは好景気の局面で起こりやすく、会社の業績が上向くので株価も上がる。逆にデフレは不景気の局面で起きやすく、株価も下がる。同じ「物価が上がる」でも、原因が違えば株価への効き方が違う。
景気は循環する: 不景気がずっと続くわけではなく、物の値段が下がれば買える人が増え、また値段が上がって景気が良くなる。良くなったり悪くなったりを繰り返すのが景気だ、という整理で締めている。