2020年 コロナ・ショック
世界の暴落
年: 2020年 / 最大下落: 約34% / 回復まで: 約半年
2020年コロナ・ショックは、感染症の世界的な拡大で経済活動が同時に止まり、S&P500がわずか1か月で約34%下落した出来事です。過去の感染症流行と比べて米国株がこれほど強く反応した例はなく、連邦準備制度の緊急の金融緩和もあって、高値からの回復も約半年という史上最速で進みました。
何が起きたか
感染症の世界的な拡大により、経済活動が同時に止まりました。2020年2月下旬から3月下旬のわずか1か月で3割超という速さで米国株が下落しました。スコット・ベイカーら6人の研究者は、過去の感染症の流行と比べて、今回ほど米国株が強く反応した例はないと報告しています。主な理由は、政府による営業の制限と人々が自発的に距離を取ったことが、サービス業の多い経済に強く効いたためだと論じています。
どれくらい下がったか
S&P500は2020年2月19日の終値3,386.15から3月23日の終値2,237.40まで、約1か月で約34%下落しました。米国株が2割超下がる弱気相場に入る速さは、Financial Times の動画によれば過去最速でした。VIX指数(恐怖指数)は3月16日に82.69を付け、算出元の Cboe は指数の過去最高の更新と記しています。
戻るまでにかかった時間
連邦準備制度は2020年6月の報告書で、この間に重要な市場の一部が正常に働かなくなったと振り返っています。その対応として、3月15日に政策金利を0〜0.25%へ下げて国債などの買い入れを表明し、3月23日には市場が円滑に動くのに必要な額の買い入れと、社債を買う枠組みの新設を打ち出しました。8月18日にS&P500の終値が2月19日の終値を上回り、高値から約半年で戻りました。
ここから学べること
3月23日の終値で売ってそのまま戻らなかった人は、S&P500が8月18日までに上がった約5割を取り逃しました。ただ、Financial Times の動画は、第1四半期を終えた時点でも「反発はありうるが、ゆっくり下がる展開のほうがありそうだ」と話していました。1929年のダウは約25年、2000年のナスダックは約15年、1990年の日経平均は約34年かかりました。直近の1回を一般化しないこと。
出典
- 論文・英語 Scott Baker, Nicholas Bloom, Steven J. Davis, Kyle Kost, Marco Sammon, Tasaneeya Viratyosin(The Review of Asset Pricing Studies)(2020) The Unprecedented Stock Market Reaction to COVID-19
- 公的機関・英語 Federal Reserve Bank of St. Louis(FRED。元のデータは S&P Dow Jones Indices) S&P 500 (SP500)
- 公的機関・英語 Federal Reserve Board(2020) FOMC statement, March 15, 2020
- 公的機関・英語 Federal Reserve Board(2020) Federal Reserve announces extensive new measures to support the economy
- 公的機関・英語 Federal Reserve Board(2020) Monetary Policy Report, June 2020: Summary
- 資料・英語 Cboe(VIX指数を算出する取引所) Inside Volatility Trading: Nothing Remains Unchanged
- 動画・英語 Financial Times Coronavirus: investing is now about survivors, not winners | FT
- 動画・英語 Two Cents COVID-19 Crashed the Market. Now What?
解説動画: 【金融ヒストリ】コロナショック #コロナショック #金融危機/FFG公式チャンネル
なぜ株価が下がったのか: 金融機関のチャンネルによる金融史シリーズ。マーケットは過去に経験したことがないものに対して過敏に反応する——未知のウイルスであったことが下落の最大の理由だと説明される。
どれくらい下がったか: ニューヨークダウは感染拡大前の3万ドル近くから約1万7,000ドルへ、1か月ちょっとで約4割の下落。日経平均も2万3,000台から1万6,000円台半ばへ、同じく1か月ほどで約3割下げた。
なぜ早く戻ったか: 各国が感染予防に動くと同時に、経済対策と金融緩和策を速やかに実施したことで、比較的すぐに反発した。ワクチンの開発も進み、株価は同年末には回復していった、という順序で説明される。