三十六計図鑑 | オトモストラテジー

主力を砕き頭を捕らえて、全体を崩す計。

擒賊擒王

絵: オトモシリーズ(画像生成で描いた絵)

計の順

第十八計

読み

きんぞくきんおう

意味

敵の堅い所を砕き、頭を奪えば、全体はばらばらになる、という計。計に付いた解説は、小さな得を取って大きな的を残すことを戒める。勝ちかけて主力と頭を逃がすのは、虎を山へ帰すのと同じだと言う。結びは易の坤卦の句で、野で戦う竜は道が窮まっている、という意味である。

名前のもとになった故事

計名は「賊を擒うるには王を擒う」と読む。もとは唐の杜甫の詩「前出塞」の句である。計に付いた解説は、唐の張巡の話を引く。張巡は敵将の尹子奇を射たいが顔を知らず、よもぎの茎を削った矢を射させた。矢が尽きたと喜んだ敵兵が報告に走り、尹子奇の姿が知れた。部下が左目を射当て、尹子奇は軍を退いた。

見分け方

将棋やチェスで、相手が取れる駒を取らずに王の周りへ手を進めるときは、この形である。小さな得を捨てて、決着を取りに来ている。自分も駒の損得より先に、王の周りの守りを数える。

よくある誤解

ことわざとしては、物事は要を押さえよ、という意味で使われる。解語は、頭を奪う前に堅い所を砕くと書く。頭だけを狙えば済むという近道の話ではない。もとの杜甫の詩は、侵略を止められれば多く殺すことはない、と続く。

出典

  1. 資料・中国語 維基文庫 三十六計 攻戰計
  2. 資料・中国語 維基文庫(杜甫) 前出塞(杜甫)其六
  3. 資料・中国語 維基文庫(司馬光) 資治通鑑 卷二百十九 唐紀三十五
  4. 資料・中国語 維基文庫 新唐書 卷一九二 張巡傳
  5. 資料・中国語 維基文庫 周易 坤
  6. 公的機関・中国語 中華民國教育部(2020) 成語典 擒賊擒王(修訂本參考資料)