三十六計図鑑 | オトモストラテジー

動く前に探りを入れ、隠れた相手を確かめる計。

打草驚蛇

絵: オトモシリーズ(画像生成で描いた絵)

計の順

第十三計

読み

だそうきょうだ

意味

疑わしいときは探りを入れて実情を確かめ、よく見てから動け、という計。解語の後半は「復は陰の媒なり」と続くが、「復」の字の解釈には幅がある。計に付いた解説は、敵の力が見えないうちは軽々しく進むなと言う。兵書の「念入りに繰り返し捜せ」という句も引く。

名前のもとになった故事

計名は「草を打って蛇を驚かす」と読む。もとの話は宋の『南唐近事』にある。当塗の県令の王魯は、蓄財に熱心だった。民が連名で、県の役人の収賄を訴え出た。王魯は裁きの文に、お前は草を打っただけだが、私はもう蛇のように驚いた、と書いた。計に付いた解説は、王魯の話を引いていない。

見分け方

ボクシングや剣道の立ち上がりに、当てる気の薄い軽い手が続くときは、探りと見てよい。観る所は、打った側ではなく、受けた側の反応である。受けた側が見せた癖や構えの変化が、あとの攻めの材料になる。

よくある誤解

ことわざとしては、不用意に動いて相手に用心させてしまう失敗を指す。解語が言うのは逆で、動く前にわざと探りを入れ、隠れた相手の様子を確かめることである。もとの王魯の話は、他人への訴えで自分が震え上がる話で、どちらとも違う。

出典

  1. 資料・中国語 維基文庫 三十六計 攻戰計
  2. 資料・中国語 維基文庫(鄭文寶) 南唐近事 卷二
  3. 資料・中国語 維基文庫 十一家注孫子 行軍篇
  4. 公的機関・中国語 中華民國教育部(2020) 成語典 打草驚蛇