三十六計図鑑 | オトモストラテジー

追い詰めず、付いていって力が尽きるのを待つ計。

欲擒姑縦

絵: オトモシリーズ(画像生成で描いた絵)

計の順

第十六計

読み

よくきんこしょう

意味

追い詰めれば相手は向き直って戦い、走らせておけば勢いは弱まる。だから離れずに付いていき、急には迫るな、という計。気力と戦う気が尽き、散り散りになったところを捕らえれば、血を流さずに済む。結びは易の需卦の句で、需は「待つ」ことである。

名前のもとになった故事

計名は「擒えんと欲して姑く縦つ」と読む。計に付いた解説が挙げるのは、諸葛亮が孟獲を七度放して七度捕らえた話である。話は『三国志』の本文に無く、注が引く『漢晋春秋』に見える。解説は、七度の放免は土地を広げるためで兵法ではないと断る。戦では捕らえた者を放さない、と結ぶ。

見分け方

マラソンや自転車レースで、追う側が先頭のすぐ後ろに付いたまま前へ出ないときは、この形である。見る所は二つある。逃げる側の足が鈍る時機と、追う側が終盤まで力を残しているかである。

よくある誤解

ことわざとしては、捕らえるためにわざと放してやることを指す。計に付いた解説は、「縦」は放すことではないと断る。離れずに付いていき、締めつけを少し緩めるだけだと言う。

出典

  1. 資料・中国語 維基文庫 三十六計 攻戰計
  2. 資料・中国語 維基文庫(陳壽) 三國志 卷三十五 蜀書 諸葛亮傳(裴松之注引『漢晉春秋』)
  3. 資料・中国語 維基文庫(常璩) 華陽國志 卷四 南中志
  4. 資料・中国語 維基文庫 三國演義 第九十回 驅巨獸六破蠻兵 燒藤甲七擒孟獲
  5. 資料・中国語 維基文庫 十一家注孫子 軍爭篇
  6. 資料・中国語 維基文庫 周易 需
  7. 公的機関・中国語 中華民國教育部(2020) 成語典 欲擒故縱