三十六計図鑑 | オトモストラテジー

強い軍は、率いる者の心から崩す計。

美人計

絵: オトモシリーズ(画像生成で描いた絵)

計の順

第三十一計

読み

びじんけい

意味

強い軍は、率いる者の心から崩せ、という計。解語はこう言う。兵が強ければ将を攻め、知恵のある相手なら情を攻める。将が弱り兵が緩めば、勢いはひとりでにしぼむ。二句目の「兵智者」は、読みに幅がある。計に付いた解説は、土地や財貨を差し出しても相手を強くするだけだと言う。

名前のもとになった故事

計名は「美人の計」と読む。計に付いた解説は、越王の勾践が西施を呉へ送り、呉王の夫差を喜ばせた話を引く。西施の名は『呉越春秋』に見える。越の大夫の種が九つの策を挙げ、四番目が呉王の心を惑わす策だった。越は西施と鄭旦に三年学ばせて呉へ送る。伍子胥は受けるなと諫めたが、呉王は受けた。

見分け方

多人数のボードゲームで、優勢な自分に気前のよい申し出が続くときに思い出す。確かめるのは、受け取った物ではない。受け取ったあとで、自分が怠り始めた備えである。申し出の前と後で、自分の手番の使い方を見比べる。

よくある誤解

人を餌にして罠へ誘う計略の意味で使われる(教育部『重編国語辞典修訂本』)。解語に「美人」の字は無い。言っているのは、強い軍は将の心から崩れる、ということである。計に付いた解説の例も、罠へ誘う話ではない。

出典

  1. 資料・中国語 維基文庫 三十六計 敗戰計
  2. 資料・中国語 維基文庫(趙曄) 吳越春秋 勾踐陰謀外傳第九
  3. 資料・中国語 維基文庫 春秋左氏傳 哀公(哀公十一年)
  4. 資料・中国語 維基文庫(司馬遷) 史記 卷四十一 越王句踐世家
  5. 資料・中国語 維基文庫 國語 卷二十 越語上
  6. 資料・中国語 維基文庫 三國演義 第五十四回 吳國太佛寺看新郎 劉皇叔洞房續佳偶
  7. 資料・中国語 維基文庫(陳壽) 三國志 卷五十四 吳書 周瑜傳
  8. 資料・中国語 維基文庫(陳壽) 三國志 卷三十二 蜀書 先主傳
  9. 資料・中国語 維基文庫 周易 漸
  10. 公的機関・中国語 中華民國教育部 重編國語辭典修訂本 美人計