反間計
敵の間者を逆に使い、敵の内に疑いを生む計。


絵: オトモシリーズ(画像生成で描いた絵)
計の順
第三十三計
読み
はんかんけい
意味
敵が送り込んだ間者を逆に使い、敵の内側に疑いを生ませる計。解語は「疑いの中の疑い」とだけ言う。続く句は易の比の卦の言葉で、内から親しめば自分を失わない、と読める。計に付いた解説は、間とは敵を互いに疑わせることだ、と説き起こす。
名前のもとになった故事
計名は「反間の計」と読む。「反間」の語は『孫子』用間篇にあり、敵の間者を逆に使うことを言う。計に付いた解説は、斉の田単の話を引く。燕の恵王は、太子のころから将の楽毅と折り合いが悪かった。田単は、楽毅が斉の王になる気だという噂を燕に流す。恵王は楽毅を騎劫に替え、楽毅は趙へ去った。
見分け方
歴史ドラマで、戦の途中に将が替えられる場面に注目する。直前に流れた噂の出どころが敵方なら、この形である。会話で進める正体隠しのゲームでも同じである。仲間を疑わせる話が出たら、得をする人を先に数える。
よくある誤解
噂を流して相手を仲間割れさせる計略、の意味で使われる(教育部『成語典』)。『孫子』の言う反間は狭く、敵が送った間者を逆に使うことである。ただ『史記』は、田単が噂を流したことも反間と呼んでいる。
計名と解語(原文と書き下し)
反間計。「疑中之疑。比之自內、不自失也」(疑中の疑なり。之に比すること内よりす、自ら失わざるなり)。「比之自內、不自失也」は『周易』比の卦の象伝に同じ句がある。
故事と成立の確かさ
田単の話は『史記』の楽毅列伝と田単列伝にあり、按語の引く言葉は田単列伝とほぼ重なる。陳平が金を使って楚軍に反間を放ち、范増が項羽のもとを去った話は陳丞相世家にある。按語の「周瑜が曹操の間諜を利用した」話は、『三国演義』第四十五回の筋に当たる。周瑜伝の注が引く『江表伝』では、蒋幹は周瑜を説けずに帰り、偽の手紙も、将が斬られる話も無い。『史記』の二例は噂を流す話が中心で、『孫子』の言う反間とは形が違う。
出典
- 資料・中国語 維基文庫 三十六計 敗戰計
- 資料・中国語 維基文庫 十一家注孫子 用間篇
- 資料・中国語 維基文庫(司馬遷) 史記 卷八十 樂毅列傳
- 資料・中国語 維基文庫(司馬遷) 史記 卷八十二 田單列傳
- 資料・中国語 維基文庫(司馬遷) 史記 卷五十六 陳丞相世家
- 資料・中国語 維基文庫(陳壽) 三國志 卷五十四 吳書 周瑜傳(裴松之注引『江表傳』)
- 資料・中国語 維基文庫 三國演義 第四十五回 三江口曹操折兵 群英會蔣幹中計
- 資料・中国語 維基文庫 周易 比
- 公的機関・中国語 中華民國教育部 成語典 反間計(修訂本參考資料)
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