連環計
数で勝る敵に、自分で自分を縛らせる計。


絵: オトモシリーズ(画像生成で描いた絵)
計の順
第三十五計
読み
れんかんけい
意味
将も兵も多い敵とは正面から当たらず、敵が自分で動きにくくなるように仕向ける計。解語は、敵に自らを縛らせて勢いをそぐ、と言う。計に付いた解説は、敵を縛る計と敵を攻める計の二つを組んで使うことだと説く。結びは易の師の卦の言葉である。
名前のもとになった故事
計名は「連環の計」と読む。計に付いた解説は、龐統が曹操に軍船をつながせ、火で焼いた話を引く。『三国演義』第四十七回の筋である。もう一例は宋の畢再遇である。進んでは退くことを繰り返して日暮れを待ち、香料で煮た黒豆を地にまいた。敵の馬は腹をすかせて豆を食べ、鞭を入れても進まなかった。
見分け方
戦略ゲームで、大軍が急に動けなくなる場面に注目する。見る所は、数ではなく、互いをつなぎ合わせた形である。自分の段取りにも当てられる。大会の準備を数珠つなぎに詰めると、一つの遅れで全部が止まる。
よくある誤解
計の中に計を仕込んだ、連動する計略の意味で使われる(教育部『重編国語辞典修訂本』)。解語の中心は、計の数ではない。敵が自分で自分を縛る形を先に作ることである。計に付いた解説が数えるのも、縛る計と攻める計の二つである。
計名と解語(原文と書き下し)
連環計。「將多兵眾、不可以敵、使其自累、以殺其勢。在師中吉、承天寵也」(将多く兵衆ければ、以て敵すべからず。其をして自ら累わしめ、以て其の勢いを殺ぐ。師に在りて中すれば吉なるは、天寵を承くるなり)。結びの二句は『周易』師の卦の象伝に同じ句がある。
故事と成立の確かさ
『三国志』周瑜伝では、曹操の軍船が首尾を接しているのを見た黄蓋が火攻めを進言する。龐統伝に赤壁の記事は無く、龐統が船をつながせる話は『演義』の筋である。『演義』第八回は、王允が董卓と呂布を裂く策も連環計と呼ぶが、呂布伝に貂蝉の名は無く、董卓の侍婢と通じたとあるだけである。黒豆の話は羅大経『鶴林玉露』にあり、『宋史』の畢再遇伝には無い。維基文庫の注記が挙げる『歴代名将用兵方略』は開けていない。
出典
- 資料・中国語 維基文庫 三十六計 敗戰計
- 資料・中国語 維基文庫 三國演義 第四十七回 闞澤密獻詐降書 龐統巧授連環計
- 資料・中国語 維基文庫 三國演義 第八回 王司徒巧使連環計 董太師大鬧鳳儀亭
- 資料・中国語 維基文庫(陳壽) 三國志 卷五十四 吳書 周瑜傳
- 資料・中国語 維基文庫(陳壽) 三國志 卷三十七 蜀書 龐統傳
- 資料・中国語 維基文庫(陳壽) 三國志 卷七 魏書 呂布傳
- 資料・中国語 維基文庫(羅大經) 鶴林玉露 乙編 卷三
- 資料・中国語 維基文庫(脱脱ら) 宋史 卷四百二 畢再遇傳
- 資料・中国語 維基文庫 周易 師
- 公的機関・中国語 中華民國教育部 重編國語辭典修訂本 連環計
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