三十六計図鑑 | オトモストラテジー

客として入り、少しずつ主人の座を取る計。

反客為主

絵: オトモシリーズ(画像生成で描いた絵)

計の順

第三十計

読み

はんかくいしゅ

意味

客として迎えられた側が、少しずつ主導権を握る計。解語は言う。隙に乗じて足を入れ、相手の要を押さえ、少しずつ進む。計に付いた解説は五つの段を数える。客の座を得る、隙に乗じる、足を入れる、要を握る、成し遂げる。主になれば相手の軍を併せられる、と結ぶ。

名前のもとになった故事

計名は「客を反して主と為す」と読む。四字は小説『三国演義』第七十一回に出る。定軍山で法正が黄忠に、陣を少しずつ進めて夏侯淵を誘い出す手を説き、「反客為主の法」と呼ぶ。計に付いた解説の例は別である。李淵が手紙で李密を持ち上げた話と、劉邦が項羽に低く仕えた話を引く。

見分け方

囲碁や陣取りのボードゲームで、自分の陣地に入ってきた小さな石や駒が居座ったら注意する。見る所は数ではなく、その石が要の一点を押さえているかである。要を取られると、陣地の主が入れ替わる。

よくある誤解

客が主人になること、受け身から主導に回ることのたとえとして使われる(台湾の教育部『成語典』)。解語が言うのは、一度の逆転ではない。隙に足を入れ、要を押さえ、少しずつ進む。計に付いた解説は「漸進の陰謀」と呼ぶ。

出典

  1. 資料・中国語 維基文庫 三十六計 並戰計
  2. 公的機関・中国語 中華民國教育部(2020) 成語典 反客為主(修訂本參考資料)
  3. 資料・中国語 維基文庫 三國演義 第七十一回 占對山黃忠逸待勞 據漢水趙雲寡勝眾
  4. 資料・中国語 維基文庫(陳壽) 三國志 卷三十六 蜀書 關張馬黃趙傳(黃忠傳)
  5. 資料・中国語 維基文庫(陳壽) 三國志 卷三十七 蜀書 龐統法正傳(法正傳)
  6. 資料・中国語 維基文庫 舊唐書 卷五十三 列傳第三(李密)
  7. 資料・中国語 維基文庫 資治通鑑 卷一百八十四 隋紀八
  8. 資料・中国語 維基文庫 隋書 卷七十(李密傳)
  9. 資料・中国語 維基文庫(司馬遷) 史記 卷八 高祖本紀
  10. 資料・中国語 維基文庫 周易 漸