三十六計図鑑 | オトモストラテジー

先に梯子を掛けて上らせ、退路を断つ計。

上屋抽梯

絵: オトモシリーズ(画像生成で描いた絵)

計の順

第二十八計

読み

じょうおくちゅうてい

意味

相手に足場を与えて前に出させ、退路を断つ計。解語は順を追って言う。便宜を与える。唆して進ませる。後ろの支えを断つ。逃げ場の無い所に落とす。計に付いた解説は、梯子を抜くには先に梯子を置くか見せる必要があると説く。利で誘っても、足場が無ければ人は進まないからである。

名前のもとになった故事

計名は「屋に上げて梯を抽く」と読む。近い場面が『三国志』諸葛亮伝にある。劉表の長子の劉琦は、身の守り方を諸葛亮に尋ねたが、答えてもらえなかった。劉琦は高楼に共に上り、宴の間に梯子を外させて、ここなら話せるかと迫った。計に付いた解説は別の例を引く。苻堅に晋攻めを勧めた慕容垂らである。

見分け方

将棋で、相手が駒をただで取らせてくれるときに思い出す。取りに出る前に、出た駒の戻り道と、後ろの駒が続くかを確かめる。進む道だけが空いていて戻る道が無ければ、誘いである。

よくある誤解

字面からは、上らせた後で梯子を外す仕打ちだけが目に入る。解語の前半は、便宜を与えて進ませることである。計に付いた解説も、先に梯子を置くことに重みを置く。孫子の九地篇では、似た喩えが自軍の兵を退けなくする意味で使われる。

出典

  1. 資料・中国語 維基文庫 三十六計 並戰計
  2. 資料・中国語 維基文庫(陳壽) 三國志 卷三十五 蜀書 諸葛亮傳
  3. 資料・中国語 維基文庫 十一家注孫子 九地篇
  4. 資料・中国語 維基文庫 晉書 卷一百十四 載記第十四(苻堅下・苻融)
  5. 資料・中国語 維基文庫 晉書 卷一百十三 載記第十三(苻堅上)
  6. 資料・中国語 維基文庫 周易 噬嗑