指桑罵槐
直に責めず、別の者を叱って従わせる計。


絵: オトモシリーズ(画像生成で描いた絵)
計の順
第二十六計
読み
しそうばかい
意味
従わない者を直に責めず、別の者を叱って戒める計。解語は言う。強い者が弱い者を従えるには、戒めて導く。計に付いた解説は、まだ服していない者を率いて敵に向かう場面を置く。利で誘えば疑われるので、他人の過ちを責めて暗に警告する、と説く。
名前のもとになった故事
計名は「桑を指して槐を罵る」と読む。同じ言い回しが小説『金瓶梅』第六十二回に出る。子を亡くして病む李瓶児に仕える乳母が、潘金蓮について語る場面である。潘金蓮は毎日、桑の木を指して槐の木を罵り、しきりに喜んでみせたという。計に付いた解説は故事を引かない。
見分け方
歴史ドラマで、将が皆の前で一人だけを厳しく罰する場面に同じ形がある。罰の重さより、周りで見ている者の顔を見る。本当に聞かせたい相手は、叱られていない側にいる。
よくある誤解
遠回しに人を罵るたとえとして使われる(台湾の教育部『成語典』)。解語が言うのは、強い側が弱い側を従わせるための戒めである。計に付いた解説も、当てこすりで気を晴らす話はせず、服していない者を動かす手として説く。
計名と解語(原文と書き下し)
指桑罵槐。「大凌小者、警以誘之。剛中而應、行險而順」(大の小を凌ぐ者は、警めて以て之を誘う。剛中にして応じ、険を行いて順なり)。
故事と成立の確かさ
解説に人名も書名も無く、末尾に「これは将を遣わす法だ」とする一説を添える。台湾の教育部『成語典』は語を『金瓶梅詞話』第六十二回に基づくかとし、維基文庫の『金瓶梅』同回に「指桑樹罵槐樹」とある。『紅楼夢』第十六回は、維基文庫の本文では「指桑說槐」である。計名がどこから取られたかは確かめられなかった。解語の後半は周易・師卦の彖伝と同じ句である。
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