繰り返しゲーム
ゲームの型
繰り返しゲームは、同じゲームを続けて行い、前の回の結果に応じて次の回の選び方を変えられる型。
何を表す考え方か
同じ相手と同じゲームを何度も続け、各回の選択が前の回で起きたことに左右されうる型。一回きりでは成り立たない協力が、均衡として成り立つ場合がある。
どういう設定で考えるか
SEP の「ゲーム理論と倫理」の項によれば、一連のやりとりが、それぞれ一回きりの非協力ゲームで表せるとき、各人は前の回の行動に応じて選ぶ「履歴に依存する戦略」を使える。無限に続く繰り返しでは、裏切って得る目先の利益より、将来にわたる協力の利益が大きくなり、協力を含む均衡が成り立つ、と説明される。ただし同時に他にも多くの均衡があり、どれが選ばれるかという調整の問題が残る、とも書かれている。
誰がいつ示したか
アクセルロッドとハミルトンは1981年の論文で、囚人のジレンマを使い、進化的に安定な戦略の枠組みで、相互性に基づく協力が始まり、ほかの様々な戦略と出会いながら続き、いったん確立すれば侵入に耐えうることを示した(論文の要旨による)。SEP の囚人のジレンマの項は、アクセルロッドのトーナメントで、最初は協力し、あとは相手の直前の選択をまねる「しっぺ返し」戦略が高い成績を収めたと説明している。
当てはまらない条件
同じ相手と、いつ終わるか分からないほど続く設定で協力が成り立つ、という話である。SEP は、多数の均衡があるために、協力が達成できる場合でも調整の問題が起きると述べている。「協力が均衡として成り立つ」ことと「協力が必ず起きる」ことは別である。
よくある使われ方とのずれ
「繰り返せば協力が生まれる」と言い切るのは外れる。成り立つのは、協力を含む均衡が存在する、というところまでである。アクセルロッドのトーナメントの結果の読まれ方は、原典とのずれ図鑑の「しっぺ返し戦略」の項で扱っている。