タカ・ハトゲーム
ゲームの型
タカ・ハトゲームは、同じ資源をめぐって、引かずに争うか、引いて争いを避けるかを選ぶ型。両方が争うと損害が資源の価値を上回りうる。
何を表す考え方か
二人が一つの資源をめぐって、争いをやめない「タカ」か、争いを避けて退く「ハト」かを選ぶ型。二人ともタカだと、争いの損害のせいで、二人とも何も得ないより悪くなりうる。
どういう設定で考えるか
SEP の進化ゲーム理論の項では、価値 V の資源を二人が争う。タカは攻撃を始め、傷つくか相手が退くまで止めない。ハトは相手が攻撃したらすぐに退く。利得は、タカ同士が (V−C)/2 ずつ、タカ対ハトはタカが V でハトが 0、ハト同士が V/2 ずつ。C は争いで負う損害で、V < C と仮定する(そうでなければタカがハトを支配する、と SEP は書く)。この表から、片方がタカ・片方がハトの組は、単独で選択を変えても得をしないので均衡になる。両者がタカを確率 V/C で選ぶ混合戦略の均衡もある。たとえば V = 2、C = 4 なら、タカを半々の確率で選び、タカ同士の利得は (2−4)/2 = −1 になる。
誰がいつ示したか
SEP は、進化的に安定な戦略の考えをメイナード・スミスとプライスの1973年の論文に帰し、タカ・ハトゲームを、集団の中で戦略の割合がどう変わるかを論じる例として使っている。この型の利得表を最初に示した人は、開いた資料では確かめていない。
当てはまらない条件
V < C を仮定した型である。V が C 以上なら、タカがハトを支配してタカを選ぶのが有利になり、この形の均衡は現れない。二人の利得が対称であることも前提になっている。
よくある使われ方とのずれ
タカとハトを、乱暴な人と穏やかな人という性格の分類として読むと外れる。ここでのタカとハトは、争いの場面で取る行動(戦略)の名前である。混合戦略の均衡は、一人が確率で使い分けるとも、集団の中の割合とも読め、SEP の進化ゲーム理論の項は後者の読み方で説明している。