立場と利害

交渉の考え方

立場と利害は、相手が口にする要求(立場)と、その奥にある関心や事情(利害)を分けて考える区別。

何を表す考え方か

交渉で表に出る要求を「立場」、その要求の下にある動機や関心を「利害」と呼んで区別する考え方。立場がぶつかっていても、利害まで下りると両立する余地が見つかることがある、という見方である。

どういう設定で考えるか

PON の解説(ショーンク)は、原則立脚型交渉の四つの要点として、人と問題を分ける、立場でなく利害に注目する、相互に得になる選択肢を考え出す、客観的な基準を求める、を挙げる。立場は「10% 増やしたい」のような表に出る要求で、利害はその下にある動機だと説明している。架空の例で考える。二人の職人が同じ部屋を借りたいと言う。立場はどちらも「この部屋」だが、一人の利害は作業の光、もう一人の利害は道具を置く広さで、別々のものである。

誰がいつ示したか

PON の解説は、立場と利害の区別を、原則立脚型交渉の四つの要点の一つとして紹介している。この区別を最初に示した人物や年は、開いた資料では確かめていない。

当てはまらない条件

利害が別々の論点にある場合に、両立する余地が生まれる。一つの分けられない量をどう分けるかだけが争点のとき(PON が分配型と呼ぶ場合)は、利害まで下りても広がる余地が小さい。

よくある使われ方とのずれ

利害に注目することは、全員が得をする結果を約束するものではない。利害を分けて考えても、ぶつかったままの利害は残りうる。原典とのずれ図鑑の「ウィンウィン交渉」の項に、この考え方と「ウィンウィン」という語のいきさつがある。