フォーカルポイント
解きかたの考え方
フォーカルポイントは、均衡が多数あるとき、参加者の目に際立って見える選択に、話し合いなしで選択が集まる、という考え方。
何を表す考え方か
均衡がいくつもあって、理屈だけではどれが選ばれるか決まらないとき、参加者の目に際立って見える行動や結果が、選択の目印になるという考え方。
どういう設定で考えるか
SEP の「ゲーム理論と倫理」の項は、フォーカルポイントを、ゲームの参加者の目に際立って見える(salient な)行動や結果と説明する。戦略の選べる範囲が大きい場合や、均衡が多数ある場合に特に重要になる、とも述べている。たとえば、相談できない二人が同じ数を選べば当たりというゲームでは、どの数を二人で選んでも均衡になり、理屈だけではどれが選ばれるか決まらない。
誰がいつ示したか
SEP は、この考え方をシェリングとルイスの議論に帰している。ルイスの1969年の著作を引き、「際立つ」ことが目印になると説明している。
当てはまらない条件
何が際立って見えるかは、参加者が共有している文脈に左右される。理論は、何が目印になるかを計算で導くものではなく、目印があれば選択が集まる理由を説明するものである。
よくある使われ方とのずれ
均衡が多数あるとき、ナッシュ均衡の定義だけでは、どれが選ばれるかを言えない。フォーカルポイントはその説明の一つで、ある選択が均衡である理由ではなく、多数の均衡の中でそれが選ばれる理由を扱う。