攻撃の頂点

攻撃と防御

篇: 第七篇

攻撃の頂点は、どの攻撃にも、それ以上進むと有利さが失われる限界の点があるとし、その見極めの難しさを説く章。

『戦争論』のどこにあるか(篇と章)

第七篇第五章「攻撃の頂点」。攻撃の力の漸減を扱う第四章のすぐあとに置かれる。全文版の目次には、これとは別に「勝利の頂点について」という文章が付け加えられていることも確認できる。

原語と原文

「Dies nennen wir den Kulminationspunkt des Angriffs.」(これを我々は、攻撃の頂点と呼ぶ)。

クラウゼヴィッツの言っていること

原文は、前章で述べた攻撃の力の目減りを踏まえ、攻め込む側の優位がそれ以上大きくならず、むしろ守る側との力関係が逆転し始める地点を「攻撃の頂点」と呼ぶ。そのうえで、この頂点を越えてなお前進を続けると、優位だったはずの攻撃側が不利に転じかねないとし、頂点をどこで見極めるかが指揮官の判断にかかっていると説く。

研究者の間で読みが割れるところ

この章の「攻撃の頂点」と、目次に別立てで示される「勝利の頂点について」という文章が、内容としてどこまで重なり、どこが異なるのかは、未完のまま遺された草稿の性質もあって、研究者の間でも整理の仕方が分かれる。

よくある引用とのずれ

スポーツや仕事の場面で「勢いのピーク」を指す比喩として広く使われることがあるが、原文が強調しているのは、この頂点が目に見える形で示されるものではなく、判断を誤れば見過ごしてしまう、繊細な見極めの難しさそのものである。