政治的交わりの継続としての戦争

戦争とは何か

篇: 第一篇

政治的交わりの継続としての戦争は、戦争を独立した現象としてではなく、政治的なやり取りが形を変えて続いているものとして位置づける、もっとも広く知られた一節。

『戦争論』のどこにあるか(篇と章)

第一篇第一章「戦争とは何か」の第24節。

原語と原文

「der Krieg nicht bloß ein politischer Akt, sondern ein wahres politisches Instrument ist, eine Fortsetzung des politischen Verkehrs, ein Durchführen desselben mit anderen Mitteln」(戦争は単なる政治的行為であるだけでなく、真の政治の道具であり、政治的な交わりの継続であって、それを他の手段をもって遂行することである)。

クラウゼヴィッツの言っていること

原文は、戦争を政治の外側にある特別な出来事としてではなく、平時のやり取りが暴力という別の手段に姿を変えて続いているものだと位置づける。そのうえで、戦争が始まっても政治的な考慮がなくなるわけではなく、むしろ戦争の性質そのものが、それを起こした政治的な事情によって形作られると説く。

研究者の間で読みが割れるところ

ここで「政治」と訳される語が指す範囲——狭い意味での政策決定なのか、外交を含むもっと広いやり取り全般なのか——は、研究者の間で説明が分かれる。原文が用いる「politischer Verkehr(政治的交わり)」という語を、単純に「Politik(政治)」と同じ意味に置き換えてよいかどうかも、確かめきれない論点として残る。

よくある引用とのずれ

「戦争は他の手段をもってする政治の継続である」という簡潔な形でこの一節が広く引かれるが、原文をそのまま読むと「politischer Verkehr(政治的な交わり)」の継続であり、それを「mit anderen Mitteln(他の手段をもって)」「durchführen(遂行する)」というやや長い言い回しになっている。広く流布する簡潔な形は、この原文を後年に短くまとめ直したものであり、原文そのものの文言ではない。