目次から地図を作る
読む前に決める
目次と見出しで、文章の組み立て方を先につかむ
どんな技?
目次と見出しを並べて、その文章がどの型で組まれているかを見抜きます。対比・原因と結果・列挙のどれに当てはまるかを章ごとに決め、関係を線でつないだ一枚の図にします。全体をざっと見る下読みとは別で、こちらは文章の骨組みだけを取り出します。型が切り替わる箇所が、そのまま話の切れ目になります。目次の言葉だけで足りないときは、節の見出しまで下ろします。
なぜ効くのか
型が見えると、次に何が来るかの予想が立ちます。ばらばらだった見出しが関係のある塊になるので、抱える数が減ってチャンクとして扱えます。説明文の型を教えると読解が上がる向きの結果がメタ分析で出ており、効果が大きいのは複数の型を教える場合でした。書く作業を混ぜる条件でも、同じ向きに動いています。予想が外れた章は、そこだけ丁寧に読む目安になります。
やり方
まず型を3つだけ覚えます。次に目次を写し、章ごとに型の名前を1分ほどで書き添えます。最後に矢印でつなぎ、関係の名前を線の上に書くところまで進めます。手つきは関係を図にすると同じで、見るだけより書いたほうが残ります。慣れるまでは一冊に数回やり直すので、時間に余裕のある本から始めます。図は一枚に収め、書き直す前提で作ります。
はまりどころ
メタ分析の対象は小学2年から高校3年で、大人が仕事の文書でやった場合は確かめられていません。比較の相手が強い指導だと、差は小さくなっています。離れた場面への学びの転移も小さいと報告されており、目次を見るだけで理解が変わる話ではありません。型の名前が身につくまでは手間のほうが大きいので、短い文書には向きません。
確かめられ方
Hebert らが2016年に行ったメタ分析が、説明文の構造指導で読解が上がるとまとめています。ただし対象は小2から高3の45研究で、材料は学校で使う説明文です。Bogaerds-Hazenberg らの2021年の検討も向きは同じですが、比較相手が強い指導だと効果は小さく、大人の実務文書までは調べられていません。
解説動画(海外・英語): The 5 Types of Text Structure | Educational Rap for Language Arts Students/Flocabulary
型は五つしかない: 説明の文章は建物と同じで、骨組みが通っていないと立ちません。読むときにその書き方の型が見えてくると言い、主な型を五つに絞って順に見せていきます。歌に乗せた授業向けの教材で、例にはピサの斜塔を使い続けます。型を見つけてしまえば、その文章は込み入って見えなくなるというのが、全体を通した言い方です。
説明と、順に並べる: 一つ目は説明の型で、話題とその特徴を描きます。「たとえば」「〜のような」といった言葉と、細かい記述や形を言う語が並び、斜塔がイタリアにあり四度傾いていると述べる箇所がその例です。二つ目は順序の型で、出来事を古いほうから新しいほうへ置きます。年号と、次に・それから・まず・第二に・第三にといった語が目印になります。
原因と結果: 三つ目は原因と結果の型で、何が起きたかと、なぜ起きたかを書き手が示します。柔らかい地盤のせいで塔が均等に沈まなかった、支えようと階を足したがその重みでかえって傾きが増した——という運びがその形です。目印になるのは、〜のせいで・〜以来・もし〜ならばといった理由をつなぐ言葉で、これが出てきたら原因と結果を探します。
問題と解決: 四つ目は問題と解決の型です。書き手がまず困りごとを出し、続けて誰がどう解いたかを述べます。塔の傾きは世紀を追って進み、五度を超えて倒れるのではないかと恐れられた——ここが問題で、下の土を取り除き、上に重りを足して釣り合いを取ったのが解決に当たります。問題・解決・解くといった語自体が目印になると言います。
比べて対照する: 五つ目は比較と対照の型で、同じところと違うところを並べます。目印は「どちらも」と「違う」で、ピサの斜塔とワシントン記念塔を突き合わせる箇所がその例です。どちらも工事が中断した点は同じで、記念塔のほうは南北戦争で止まりました。片方は鐘楼、もう片方は建国の人物を記念するもので、目的は違います。