寝る前に覚える
睡眠
覚えたい材料を、眠るまでの数時間以内に置く
どんな技?
暗記のような覚える作業を、一日のいちばん最後の枠に移します。朝や昼に置いていた単語やカードを夜へ回し、終わったら新しいものを入れずに床につきます。動かすのは順番だけで、勉強の量も眠る長さも変えません。就寝時刻を後ろへずらすと条件から外れ、一夜漬けの側へ寄っていきます。夜に置けるのは覚える作業だけで、考え込む作業は昼に残します。
なぜ効くのか
覚えてから眠るまでのあいだに別の情報が入るほど、あとで思い出しにくくなります。これが記憶の干渉で、間隔が短ければ割り込む材料が少ないまま眠りに入れます。夜の枠に置けば、覚えたあとに残るのは風呂と歯みがきくらいになります。睡眠のあいだに進む眠って記憶を固める働きへ、材料を時間の上で近づける置き方だと言えます。
やり方
覚える枠を寝る30分から2時間前に置き、その枠では新しく覚えるものだけを扱います。長さは15分前後で切り、終わったら本も画面も閉じます。難しい計算や書きものは夜に残さず、昼のうちに片づけておきます。翌朝は思い出す練習で抜けを拾い、拾えなかった分だけを次の夜の枠へ戻します。枠を作れない日は1枚だけでも通します。
はまりどころ
保持がよくなったのは意味のつながらない単語対で、意味のある対では睡眠と覚醒で差が出ていません。試験範囲のように意味でつながった材料では、効きを見込みにくいところです。差を報告した Gais らの相手は高校生なので、大人の学び直しで同じ差が出るかも別の話になります。眠る時間を削って夜へ延ばすなら向きが逆で、睡眠時間を削らないが先に来ます。
確かめられ方
Gais ら 2006 は高校生の英単語学習で、学習の3時間後に眠る条件が10時間後に眠る条件より保持がよいと報告しました。Payne ら 2012 も学習と睡眠の間隔が短い方が24時間後の保持がよいとしましたが、差が出たのは意味のつながらない単語対だけです。意味のある単語対では睡眠と覚醒で差が出ていません。確かめられたのは単語の水準までで、長い文章や実技では調べられていません。