水を切らさない

カフェインと食べもの

軽い脱水で注意と判断が少し落ちる。効果は小さい

どんな技?

のどが渇いたまま何時間も座り続けない、という程度の技です。手の届く場所に水の入った容器を置き、区切りごとに口をつけます。効き目は小さいので、飲めば頭が働くという向きには読めません。渇きの感覚と、尿の色といった手がかりを目印にするだけで足ります。1日に何リットルという数値の目標は、裏づけが弱いので置きません。

なぜ効くのか

体の水分が減ると、注意を保つ働きと段取りをする働きが少し落ちると報告されています。単純な反応の速さは落ちにくいほうで、影響の出方には偏りがあります。ただし差の大きさは効果量で見て小さく、机に座っている人が実験と同じ状態になるとは限りません。効くしくみが分かっているのではなく、減ったときに落ちる側から言えるだけの話です。

やり方

作業を始める前に容器を満たし、休憩のたびに一口という形にします。回数を数える必要はなく、渇いたら飲むで足ります。汗をかいた日や暖房の効いた部屋では減りが早いので、多めに置いておきます。飲むために席を立つ動きは、座り続けを切ると組むと無駄になりません。トイレが近くて作業が切れるなら、量より飲む時点をずらします。

はまりどころ

実験は意図的に脱水させて比べたもので、幅は体重の1%から6%です。机で勉強していて体重の2%を失うことは、ふつう起きません。だから水を足せば成績が上がるという読み方は、この裏づけからは出てきません。頭が働かない原因を水に求めると、睡眠時間を削らないのような大きい要因を見落とします。飲みものにカフェインが入るなら、カフェインを飲む時間の線引きも乗ります。

確かめられ方

Wittbrodt と Millard-Stafford が2018年にまとめたメタ分析は、33研究・413人ぶんを集めたものです。体重の1%から6%の脱水で全体として小さな低下(効果量 -0.21)が出て、2%を超えると-0.28でした。落ちたのは注意・実行機能・運動の協応で、単純な反応の速さは落ちにくい側でした。脱水のさせ方は研究ごとに違い、机での作業をそのまま測ったものではありません。

解説動画(海外・英語): What would happen if you didn’t drink water? - Mia Nacamulli/TED-Ed

体のほとんどが水: 動画はまず、体の水が関節を守り、体温を調節し、脳と脊髄を養うと説明します。割合は住む場所や年齢や性別で変わりますが、大人でおよそ55〜60%、生まれたての赤ちゃんは75%で一歳までに下がります。脳と心臓は四分の三近くが水、肺は83%、乾いて見える骨も31%だと並べます。

毎日出ていく分: これだけ水でできていて水に囲まれているのに、なぜ飲むのかと動画は問いを立てます。汗や尿や便、さらに息をするだけでも一日に2〜3リットルが出ていき、出た分を埋め戻す必要があると答えます。要点は釣り合いを保つことで、足りない側も多すぎる側も健康を損なうほうへ働くと続けます。

足りないときの合図: 水が減ると脳の視床下部が感知して水を体に留めるホルモンが出て、腎臓に血液が水を取り戻す通り道ができると述べます。表に出る目印が濃く暗い色の尿です。さらに減ると気力や気分、血圧が落ち、認知の働きにも影響が見えると続き、脱水した脳は同じ作業に余計に働くとも言います。

飲みすぎの側: 逆に短い時間で飲みすぎる側にも動画は触れます。脱水では先のホルモンが増えるのに対し、飲みすぎではその放出が止まる側へ動きます。血中のナトリウムが薄まって細胞がふくらみ、極端な条件で動く人に起きやすく、腎臓が追いつかないと頭痛や吐き気が出て、まれに重い症状に至ると述べます。

どれだけ飲むか: 最後に量の話へ進み、長く言われてきた一日8杯という目安はすでに見直されていると動画は述べます。いま言われているのは必要な量が体重と環境で変わることで、健康状態や活動量、暑さでも上下します。カフェインを含む飲みものでも水分は補え、カフェインを飲む時間の線引きと合わせて読む形になります。