朝食をとるか

カフェインと食べもの

朝に食べるか抜くかを、数日ずらして自分で試す

どんな技?

食べる日と抜く日を数日ずつ入れ替えて、午前の調子を自分で見る技です。大人の学習についてどちらが良いかは分かっていないので、決めるのは自分の記録の側になります。同じ時間帯に同じ種類の作業を置き、進んだ量とだるさを短く書き残します。食べる内容や量には踏み込まず、とるかとらないかだけを動かします。もとから食べていない人は、食べる日を差し込む向きで組みます。

なぜ効くのか

朝に食べるか抜くかで午前の調子が変わる理屈は、いくつも立てられます。夜のあいだ空になった状態が明けること、いつもの手順が崩れること、どちらも言われてきました。ただし大人の学習成績まで結ぶ研究が足りないので、理屈は並ぶのに結果は割れたままです。子どもで効果が見えた研究でも、範囲は同じ午前中に限られていました。だから理屈ではなく、自分の記録の側で決めます。

やり方

3日食べる・3日抜くのような組を、同じ週の中に作ります。比べる時間帯は起きて2時間から4時間に固定し、その枠で同じ種類の作業をします。書き残すのは進んだ量と眠気で、5段階のような粗さで足ります。1週では決めず、2週から3週ぶんを並べて見ます。抜いた日に昼すぎの眠気が強く出るなら、食後の眠気も合わせて見ます。

はまりどころ

「朝食は大事」も「抜いたほうが冴える」も、どちらも今の裏づけを超えています。研究が多いのは子どもと思春期で、しかも栄養状態の良くない子どもほど差が大きく出ています。体重を落とす目的や長い断食の話は学習とは別の領域なので、ここには混ぜません。甘いものを入れれば頭が回るという向きはブドウ糖やサプリで頭が良くなる説の側です。

確かめられ方

Adolphus らが2016年にまとめた45研究の系統的レビューは、子どもと思春期を対象にしています。認められたのは注意・実行機能・記憶での午前中に限った効果でした。差が大きく出たのは栄養状態の悪い子どもです。内容による違いと長期の効果は研究が少なく、結果も一貫しません。大人の学習成績を扱った質の高い研究(対照群とランダム化)は乏しく、分かっていないままです。

解説動画(海外・英語): Is Breakfast the Most Important Meal?/PBS Origins

一番大事なのか: 「朝食は一日でいちばん大事な食事」という言い回しに裏づけがあるのかを、歴史の側からたどる回です。動画はまず、朝食と呼ばれるものが冷たいシリアル一杯から山盛りの卵料理、出がけに流し込むコーヒー一杯まで幅を持つと断り、中身の定まらないものの大事さをどう測るのかと問い直します。

三食は後からできた: 食事の回数と時刻は文化ごとにばらばらでした。初期の入植者が出会った先住民の集団は季節と手に入る量に合わせて食べ、ローマ人は三つの食事に名前を持ちながら重い一食は夕方だった、と紹介されます。朝食が階層をまたいで広がるのは17世紀ごろの西ヨーロッパで、時計で区切られた労働に暮らしを合わせる中で三食が標準とされていきます。

標語の出どころ: この文言は1917年の健康雑誌に、一日を始める食事だからという理由づきで載ったものだと動画は言います。ただしその雑誌を編集していたのはコーンフレークを兄弟で作った医師でした。1920年代には広報の専門家が食品会社に頼まれ、5000人の医師に重い朝食の是非を尋ね、4500人が同意したという形で新聞に載せています。

関連か原因か: 栄養の側は激しく割れていると動画は言います。朝食をとる人に体重の増えすぎや心臓病、糖尿病が少ないという研究がある一方、それは関連であって原因ではないという批判が並びます(対照群とランダム化)。食品会社が費用を出した研究や、朝食に有利な前提から問いを立てる偏りも挙がります。

問いを立て替える: 夜勤明けの人の一食目が午後になるように、何を・何時に・起きてどれだけ後に食べたかで中身は変わります。集中の良さも食事全体の質のほうと結びうる、と添えられます。動画は問いを自分の目的に合う食べ方へ立て替え、朝食そのものが原因かは決着していないと結びます。だから決めるのは自分の記録の側になります。