食後の眠気
カフェインと食べもの
昼すぎの眠気は実在する。そこへ暗記を置かない
どんな技?
昼すぎに来る眠気を予定の側で避ける技です。午後のはじめに新しい暗記や難しい読みものを置かず、手を動かす作業や見直しに回します。眠気が濃い時刻は人によってずれるので、自分の谷の時刻を数日書き出してから決めます。食べる量を分ける手もありますが、谷そのものが消えるわけではないので、食べ方を直す話にはしません。
なぜ効くのか
午後の眠気は食事だけで起きているのではなく、1日のリズムの谷としても現れます。睡眠と起床の時刻をずらすと谷も一緒に動くという報告があり、食事の時刻を変えなくても出ます。つまり昼食を軽くしても谷が残ることはあります。谷に重い課題を置くと同じ時間で入る量が落ちるので、置き場所を替えるほうが早く済みます。
やり方
数日ぶん、時刻ごとの眠気を粗く記録して、自分の谷がどこに来るかを見ます。谷の前後1時間には、整理や間違い探しのように手が覚えている作業を置きます。重い課題は谷の外へ寄せ、決め方は得意な時間帯に難所を置くに合わせます。眠気で作業にならないときは、カフェインと昼寝を組むへ切り替えます。谷が浅い日もあるので、毎日同じ形に固めなくて構いません。
はまりどころ
谷が来る時刻には人による幅があり、朝型と夜型でずれます(朝型と夜型)。眠気が毎日強く出るなら、昼食よりも夜の睡眠の不足の側を先に見ます。甘いものを足して乗り切る形は勧められません。血糖を上げれば成績が上がるという話はブドウ糖やサプリで頭が良くなる説の担当です。日中の強い眠気が何週も続くなら、医療の側で相談する範囲になります。
確かめられ方
Monk が2005年に書いた総説は、昼すぎの成績の落ち込みを概日リズムの谷として整理しています。Bes らの2009年の睡眠傾向のモデル化でも同じ扱いです。Javierre らの1996年の報告では、食事の時刻を変えずに睡眠と覚醒をずらすと谷も動きました。測られているのは眠気や単純な課題の成績で、勉強の成果がどれだけ変わるかは調べられていません。
解説動画(海外・英語): Your Brain Decides When You Sleep, Not You!/Somno Science
二つの力の綱引き: 眠る時刻を自分で選んでいるつもりでも、脳の中では二つの力がせめぎ合っている、と動画は切り出します。片方は起こしておこうとする体内時計、もう片方は時間とともに眠りへ引き寄せる眠る圧です。午後2時にまぶたが重いのに夜9時には目が冴える——その理由は、この二つの重なり方で説明できると述べます。
時計のほうの力: 時計の側は視床下部にある視交叉上核という神経の集まりで、数は2万個ほど、大きさは米粒ほど。肝臓や心臓がそれぞれ持つ時計をそろえる指揮者だと説明されます。時刻を教える合図でいちばん強いのは光で、目から届くとメラトニンが抑えられ、コルチゾールが出て体は起きる側へ振れます。
たまるほうの力: もう片方は、起きているあいだずっと積み上がる圧です。細胞が燃料を使うとアデノシンが残り、これが受け口にはまると神経の働きが鈍る。動画はこれを起きていることの燃えかすと呼び、16時間も起きていれば抗いがたくなると述べます。カフェインはこの受け口を塞ぐだけです(カフェインを飲む時間)。
昼すぎに重なる: 二つを重ねたところに谷が現れます。13時から15時ごろ、時計の側が出す覚醒の合図がいったん落ちる。同じころアデノシンは7〜8時間ぶんたまっている。この下がる力と押す力がそろうところが、あの強い眠気だと動画は言います。重い昼食も上乗せはするが、それだけが原因ではないという説明です。
夜に来る第二の波: 谷を過ぎると、夜8時から9時ごろに時計が最後の覚醒の合図を送り、眠かったはずの体が急に冴えます。やがて合図が落ちてメラトニンが上がり、たまった圧と重なったところですとんと眠りに入る。山も谷も自分で決めていないという結びは、谷を消そうとせず予定の側で避けるこの項目と重なります。