卓球の回転

球技

軽い球ほど回転が軌道を変える競技

何が起きている?

前へ回すドライブ、下へ切るカット、横へ回すサーブと、同じ速さでも軌道も弾み方も別物になります。球は直径40ミリ・2.7グラムしかなく、回転の効き方が球技のなかでもとりわけ大きく出ます。台という短い距離で軌道が曲がりきるので、回転を読めないと返球が浮き、そのまま強く打ち込まれます。

流れとしての理屈

軽い球ほど、空気から受ける力が自分の重さに比べて大きくなります。だから同じ回転数でも、重い球よりずっと大きく軌道が曲がります。これはマグヌス効果が強いというより、曲げられる側が軽いからです。そのうえ、かかる回転自体も毎分5000回転を超えることがあります。台に当たったあとも回転は残っているので、弾む向きも相手の面での跳ね返り方も変わります。

選手がしていること

相手のラケットが動いた向きと、当たった瞬間の音で回転を読みます。下回転には面を上へ向けて返し、上回転には面をかぶせます。表面のゴムの粒をどちらへ向けるかでもかかり方が変わり、粒を外へ向けたラバーは相手の回転を受けにくい代わりに、自分から強くかけるのが難しくなります。

勘違いしやすいところ

速く打った者が勝つ競技だと思われがちですが、回転を読み違えると台に届く前に落ちるほど効きます。よく切れた球が触れた瞬間に飛び上がるのも、残った回転が面をこすった結果で、相手が強く打ち込んだからではありません。速さと回転は、別々に見るものです。

解説動画(海外・英語): How to Generate Maximum Spin in Table Tennis - Key Factors for Spin Generation/Learn Table Tennis

当てる向きで速さと回転が分かれる: 打った瞬間のエネルギーは、まっすぐ進む速さと、球が自分の軸で回る速さに分かれる。力を球の中心へ向けて当てるフラット接触ではほとんどが進む速さになり、速いが回転はほぼ乗らない。中心を外して表面をこするように当てると球を回す力が生まれ、進む速さを削ったぶんが回転へ回る、というのが出発点。

接線に近く、完全な接線では駄目: 中心から遠い点に、面と平行に近い向きで力を加えるほど回転の割合が増える。ただし完全に平行だと球がラバーに沈まず食いつかない。球を少し沈ませて引っかかりを作りながら、できるだけ接線に近い向きで払う。この沈ませ具合とこすりの両立が最大回転の条件だと動画は言う。

ラバー・スポンジ・板の役割: 表面のラバーは摩擦の大きい層で、球が食いついて回転をもらう。中間のスポンジは当たった衝撃でラバーをより変形させ、触れている時間を延ばして回転の伝わりを増やす。スポンジが厚いほどラバーは強く摩擦をかけられる。芯の板はいちばん硬く、板まで当たると弾きが速くなり回転は減る。

振りの速さと制御の折り合い: 振りが速いほど球へ渡るエネルギーは増え、良いこすりができていれば回転も増える。ラケットを速く動かすほかに、バウンド後に上がってくる球の動きを使う手もあり、ツッツキではその上昇を利用してこする。ただし速くしすぎると制御が落ちてこすりの質が崩れ、回転はかえって減る。質を保てる範囲での最大の速さを探す話だという。