非ニュートン流体
粘りと抵抗
力の加え方で硬さが変わる流れるもの
どんな現象?
力の加え方しだいで硬さが変わる、流れるものたちです。水に片栗粉を一・五倍から二倍ほど入れて混ぜると、指をゆっくり入れれば沈むのに、叩くと固い床のようにはね返します。容器のケチャップが傾けても出ないのに揺すった瞬間に出すぎるのも同じ仲間で、生クリームや歯みがき粉、血液も入ります。
なぜ起きるか
粘りの元が分子ではなく、粒や長い鎖の並び方にあるからです。ゆっくり動かすと粒はよけ合って並ぶ時間があり、やわらかく流れます。速く動かすと粒どうしが押し合って詰まり、すき間の水が逃げきれず、一瞬だけ固体のように振る舞います。ケチャップは逆で、止まっているあいだにできた構造が揺すられて壊れ、流れ出します。いつどれだけ硬くなるかはまだ完全には説明できていません。
どこで見られるか
台所の片栗粉がいちばん手軽です。塗料が刷毛では伸びるのに壁で垂れないのも、歯みがき粉が絞るまで出ないのも、同じしくみの応用です。自然の中では土石流や雪崩のように、水と粒が混ざって流れるものが、ふつうの液体とは違うふるまいを見せます。練りたてのモルタルが、こねる間はよく流れて置けば形を保つのも同じです。
勘違いしやすいところ
叩いて固まったから固体になった、わけではありません。すぐ流れに戻ります。またこうしたものは、粘りをひとつの数で表せません。どれくらいの速さで動かしたときの値かを添えないと意味がなく、レイノルズ数のような目安もそのままでは当てはめられません。
解説動画: 【No.110 Creative Award 2022応募動画】「ダイラタンシーの応用」/Arts Center Akita
押した所だけ水が抜ける: 動画の説明はこう組み立てられている。片栗粉は水の中でも溶けずに粒のまま残り、その粒を水が包んだ湿った状態でドロドロしている。そこへ急に素早く力を加えると粒どうしがきっちり並び、あいだにできた隙間を通って水が力のかかっていない側へ逃げる。押された場所は水を失って乾くので硬くなる、という順番。
手応えで決める黄金比: 発表は立命館守山高校の岡田歩さんと中田翔馬さん。二人はまず黄金比を自分たちで定義し直す。スプーンを入れて回して混ぜ、いちばん固い・いちばん手応えがあると感じたときの比を、この現象の黄金比と呼ぶ、という決め方。道具は水と片栗粉、小麦粉・コーンスターチ・米粉、それに電子天秤と温度計。
コーンスターチだけが作れた: 実験の一つ目はネットで拾った黄金比が本当かの確認。二つ目が、小麦粉・コーンスターチ・米粉でも同じ現象が起きるのか、比に違いが出るのかを調べたもので、結果はコーンスターチの1対1.2のときだけ作れた、というものだった。粉なら何でもよいわけではない、ということになる。
エタノールと温度で試す: 三つ目は水ではなくエタノールで作れるかどうか。ただし結果は画面で示すだけで、言葉では述べていない。四つ目は溶媒の温度を変えて起きるかどうかで、こちらは作ることができなかったと言っている。まとめは、決まった条件のもとでだけ、衝撃を加えなければ液状、加えると固体になって衝撃を吸収する、という一文。