ジェット気流
空と天気
上空を西から東へ帯状に流れる強い風
どんな流れ?
高度一万メートル前後を、西から東へ帯のように流れる強い風です。幅は数百キロあるのに厚みは数キロしかなく、平たいリボンのような形をしています。速いところでは時速二百キロを超え、まっすぐではなく南北に大きく蛇行しながら地球をひと巡りしています。蛇行の谷や尾根は数日かけて東へ移っていきます。
なぜ起きるか
赤道側は暖かく極側は冷たいため、同じ高さで比べると空気の重なり方に差ができ、上へ行くほど気圧の傾きが大きくなります。空気は気圧の高い側から低い側へ押されますが、地球の自転で進む向きが少しずつ右へそれ続けるので、押される向きと直角に落ち着いて西風になります。温度差が大きい冬ほど押す力が強く、風も速くなります。蛇行がなぜその形で居座るのかは、まだ読み切れていません。
どこで見られるか
東へ向かう長距離便が西向きの便より早く着くのは、この流れに乗るからです。空を見上げても風は見えませんが、飛行機雲が長く伸びる高さがちょうどこのあたりです。天気図では上空の谷と尾根として描かれ、その位置が地上の高気圧や低気圧の通り道を決めています。
危険と注意
帯の縁では、雲がないのに機体が揺れる晴天乱気流が起きます。レーダーに映らず前もって見つけにくいので、座っている間はベルトを締めておくのが確実です。蛇行が同じ形のまま居座ると、同じ地域に寒波や高温が長引くことがあり、季節はずれの天候の背景になります。
解説動画: 【高校地理】3-2. 大気大循環(雨季と乾季の生じるしくみ) | 3. 世界の気候/地理を通して世界を知ろう!
風は詰まったほうから吹く: 動画はまず風そのものの定義から入る。空気がぎっしり詰まったところは密度が濃く気圧が高い、スカスカのところは密度が薄く気圧が低い。その偏りがあるところで空気が動きだし、動いていること自体が風だと定義される。向きは気圧の高い所から低い所へ。この一本の決まりだけを持って、地球規模の風の話へ進んでいく。
赤道と極でできる三つの輪: 赤道付近は太陽の熱を最も多く受けるので空気が軽くなり、一年中上昇気流が卓越して赤道低圧帯になる。上空を高緯度へ広がった空気は緯度30度あたりで冷えて下り、中緯度高圧帯をつくる。極は最も温まりにくいので下降気流の極高圧帯。緯度60度付近では冷たい空気の上に暖かい空気が乗り上げて再び上昇し、亜寒帯低圧帯ができる。
自転の速さの差が風を曲げる: 地球は西から東へ自転していて、その速さは赤道上なら一日で地球一周分、極ではゼロ。つまり緯度が低い場所の空気ほど東へ速く動いている。緯度30度付近の空気が速さを保ったまま北へ流れると、慣性で東寄りへずれていく。これが西から吹く偏西風で、風を曲げているように見える見かけ上の力がコリオリの力だと説明される。
上空一万メートルの強い西風: 同じ偏西風でも地表近くと上空とでは強さが違い、上へ行くほど強まるという性質がある。上空1万メートルあたりでは西から東へ時速300kmに達する流れになっていて、これをジェット気流と呼ぶ。通り道がちょうど日本の上空にあたるので、飛行機はこの流れにうまく乗って燃料を節約しながら目的地を目指す、と紹介される。
貿易風と、可視化して見る: 中緯度高圧帯から赤道側へ戻る風は北東からの貿易風、極高圧帯から出る風は極偏東風で、どれも一年中吹くので恒常風と呼ばれる。動画の途中では風を可視化するサイトearth.nullschoolを開き、赤道へ両側から吹き込む貿易風と、上空一万メートルを西から東へ走るジェット気流を実際に見せている。