つむじ風

空と天気

晴れた日に落ち葉を巻き上げる小さな渦

どんな流れ?

晴れて風の弱い日に、落ち葉や砂を巻き上げながら細い柱のように立つ渦です。直径は数メートル、高さは数十メートルほどで、数十秒から数分で消えます。雲がなくても起きるどころか、空が晴れているときほど立ちやすいのが、雲から下りてくる竜巻との大きな違いです。

なぜ起きるか

強く焼けた地面の上では、空気が場所によってまとまって上がります。抜けた分を埋めるために周りの空気が横から入り込み、その空気がもともと持っていたわずかな回り込みが、上昇流に引き伸ばされて細くなるほど速く回ります。中心の気圧が低いことと速く回っていることは同じ釣り合いの表と裏で、片方がもう片方の原因ではありません。渦は中心が低圧だから吸い込むという説明のように低い側が吸うのではなく、押しているのはいつでも外側の高い圧力のほうです。回る向きは左右どちらもあり、地球の自転はこの大きさではほとんど効きません。

どこで見られるか

春から夏の昼過ぎ、校庭や駐車場、乾いた河川敷など地面が乾いてよく焼ける場所で立ちます。土ぼこりが混じって初めて姿が見えるので、砂のないところでは見えないまま通り過ぎています。条件がそろう日は、同じ場所で何度も立つことがあります。乾いた土地では高さ数百メートルに達する例も報告されています。

危険と注意

小さくてもテントや軽い屋根を持ち上げる力があり、屋外行事のテントが浮いた例が知られています。砂が目に入るので、来たら背を向けて離れてください。屋外で火を扱っている場所では火の粉が舞い上がるおそれがあります。竜巻と違い予報も注意情報も出ないので、その場で見て避けるほかありません。

解説動画(海外・英語): The science of dust devils and how it helps understand what's happening on Mars | Oregon Field Guide/Oregon Public Broadcasting

「小さな竜巻」ではない: 乾いた土地に立つ小さな渦で、砂ぼこりを空へ持ち上げているもの、と研究者は言う。直径は1メートル前後からスクールバス1台ほど、大きなものは高さ半マイル、およそ800メートルに達する。野球場や砂利道、砂漠に多く、共通しているのは砂ぼこりの存在だ。竜巻とは別物で、規模はずっと小さく風も弱い。危険というより目と歯に砂が入る程度だという。

焼けた地面から立ち上がる: 地面に接した空気は表面に熱せられて軽くなり、熱気球のように上がろうとする。上がった分を埋めるように周りの空気が横から入り込み、入ってきた空気はしばしば回り始める。条件と砂ぼこりの量がそろったときだけ、回る空気が地表の砂を持ち上げ、上昇する対流の渦に巻き込んで運び上げる。

分からないと言い切る: では仕組みは解けているのかと問われ、研究者は正確には分かっていないと答える。砂がどうやって地表から持ち上がるのか、どんな条件で立ちどんな条件で立たないのか、そこが説明できていないという。だから「ここに機材を置けば今日は50個捕まえられる」とは言えず、地平線に並ぶのを眺めて1つか2つ取れれば幸運だと話す。

風のセンサーで写真を撮る: 調査地はアルボード砂漠、12マイル×7マイルの干上がった湖底。乾いて暑く砂だらけの平地に、ブライアン・ジャクソンらは小さな風のセンサーを格子状に並べた網を張る。1つ1つをカメラの画素に見立て、渦が通ったときの記録をつなげて渦の写真、うまくいけば動画にする。午前の遅い時間、気温が上がると動き出す。風は少しあるほうがよく、強すぎるとかえって立たない。

火星のつむじ風を知りたい: 研究が勢いづいた理由は火星の観測にある。火星では惑星のあちこちで頻繁に立ち、大きいものは幅1キロと地球のどれより大きい。1億7000万マイル先で現地調査ができないので、地球の渦を手がかりにする。舞い上がった砂は火星の大気で温室効果のガスのようにはたらくとされ、気候を左右する。探査車の太陽電池パネルの砂を払うはたらきもある。