圧力とは何か

基本の考え方

面を垂直に押す強さ、流れを動かす差

何を言っている?

気体や液体が、触れている面を垂直に押す強さのことです。分子が絶え間なくぶつかる回数と勢いの合計なので、向きを選ばず全方向へ働きます。手のひらを水に沈めても、上からだけでなく横からも下からも押されているのはこのためです。深いところほど上に載る重さが増えるので、下へ行くほど強くなります。押す強さであって引く力ではないという点が要です。

読み方の目安

大気の圧力はおよそ水柱10メートル分で、水深10メートルでほぼ倍になると覚えておくと桁を間違えません。山へ登れば減り、台風の中心では周りより低くなります。天気図の等圧線は間隔が狭いほど風が強いと読みます。圧力そのものの数字より、差がどちらを向くかが流れを決めるので、まず高い側を探すのが近道です。

どこで使われているか

天気、血圧、タイヤ、配管の設計まで、押し合いを数える場面すべてに出てきます。「吸い込む力」という言い方が広まっていますが、起きているのは高い側が押していることだけで、引っぱる力はどこにも登場しません。掃除機も、内側の圧力を下げて外の大気に押し込ませる装置ですし、ストローも同じ仕組みで、外の大気に押されて飲みものが上がってきます。

はまりどころ

速いところは必ず低い、と覚えると速いところは必ず低圧という思い込みに落ちます。速さと圧力が結び付くのは同じ筋道をたどる流れの中だけで、送風機やポンプで力を加えた前と後ろは別の話です。羽根が仕事をした先では、速くても圧力が高いということが平気で起こります。負圧という言葉も、周りより低いという意味だけで、引き寄せる力ではありません。まず、どちらが高いかを見てください。

解説動画: 【高校物理】気体分子運動論【熱力学】/予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」

分子の運動から圧力へ: 断熱容器に閉じこめた理想気体を立方体で考え、分子の運動だけから圧力と温度の正体を出すのがこの授業の目標。講師は、めちゃくちゃ小さい分子の話から、大雑把で大きい圧力や温度が浮かび上がるところが面白いと言う。圧力の正体は、分子が縦横無尽に駆け回って壁にぶつかることだと最初に置く。

3つの仮定に理由をつける: 計算の前に、壁との衝突は弾性衝突、摩擦なし、分子同士は衝突しないの3つを置く。置きっぱなしにせず理由も言う。断熱容器は外とエネルギーをやり取りしないので、跳ね返っても分子はエネルギーを失わず、摩擦で熱も出ない。理想気体は分子の大きさをゼロと見るから、互いにぶつかりようがない。

一瞬の衝突は力積でかわす: 衝突は一瞬なので、その間の力は直接は書けない。そこで力積は運動量の変化に等しいを使う。壁に垂直な向きの速度だけが逆を向き、速さは変わらないので、壁が受ける力積は分子の質量と速さの積の2倍。進んだ距離を往復の距離で割れば、ある時間内の衝突回数が出る。

先に平均、あとで個数: とがった力のグラフを、同じ面積の長方形にならしたものが平均の力。分子には速い者も遅い者もいるので、1個分をそのまま個数倍してはいけない。講師はクラスの体重で例える。200kgの人が1人いるからと全員をその値で数えたら合計がおかしくなる。先に平均を取り、それから人数を掛ける。

圧力から絶対温度へ: 上下左右に特別な方向はないので、一方向の速さの二乗の平均は全体の3分の1。力を面積で割ると、圧力は分子の数と質量と速さの二乗の平均を体積で割った形になる。状態方程式と並べ、気体定数をアボガドロ定数で割ったボルツマン定数を使うと、分子1個の運動エネルギーの平均が絶対温度だけで決まると出る。