流線
基本の考え方
流れの向きをつないで描いた補助線
何を言っている?
ある瞬間の流れの向きを、つないで描いた線です。線に沿う向きがその場所の流れの向きで、線が混み合うところは速いと読みます。実際に線が引いてあるわけではなく、目に見えないものを見るために人が引いた補助線にすぎません。だからこそ、描き方さえ決めれば誰でも同じ図になり、比べることができます。
読み方の目安
見るのは線の間隔です。同じ量ずつ受け持たせて描いた図なら、間隔がおよそ半分の場所は速さもおよそ二倍だと見当がつきます。線が曲がっている場所では、内側へ押す力がないと曲がれないので、曲がりの外側ほど圧力が高いと読めます。曲がりがきついほど、内と外の圧力の差も大きくなります。
どこで使われているか
車や鉄道車両の風洞試験、天気図に描かれる風の表示、水槽に色水を一筋だけ流す実験などで描かれます。煙や色水そのものは流線ではありませんが、流れが時間で変わらない場面なら、ほぼ重なって見えます。スピードスケートの姿勢の良し悪しも、体に沿った線が離れずに回り込むかという言い方で語られます。
はまりどころ
時間とともに変わる流れでは、粒子が実際に通る道とは別物になります。渦を巻いて刻々と姿を変える流れほどずれが大きく、写真に写った煙の筋をそのまま流線だと思って読むと、進んだ跡と向きの図を取り違えます。まず、流れが時間で変わっていないかを確かめてください。
解説動画(海外・英語): Fluid Mechanics: Topic 10.3 - Steamlines, streaklines, and pathlines/CPPMechEngTutorials
ボールに座標を貼りつける: 流れを目に見える形にする道具として、この講義は三つの線を並べる。まず左へ進むボールと周りの流体を描き、座標をボールに貼りつける。するとボールは止まって見え、流体のほうが右へ流れている図になる。流体要素それぞれに速度の矢印が付いていて、以降の話はこの矢印の集まりを相手にする。
流線は速度の矢印に接する: 流線は、その瞬間の速度の矢印に接する線。速度を縦と横の成分に分け、その比が線の傾きに等しいと置く。位置と時刻の関数として速度が分かっていれば、ある点を通る流線を積分で求められる。どの場所でも速度が時間で変わらない流れなら流線は時間によらず一定で、そうでなければ流線も時々刻々変わる。
染料を一定間隔で放す: もう一つの手が、煙や染料を流れに入れること。動画では、ある時刻に赤い染料を落とし、一定時間ごとに青、紫、緑と番号を振った4個を同じ点から次々に放す。時間が経つと4個は別々の位置にいるが、出どころは同じ一点。この4個を結んだ線が流脈線で、同じ点を通った流体要素の集まりと定義される。
1個だけ追うと流跡線: 同じ図で赤い染料1個だけに注目し、それが通ってきた位置をつないだものが流跡線。1個の流体要素の道すじで、多数をまとめて見る流脈線とはここが違う。結論は、定常流なら三つは完全に一致すること、そして非定常流では普通は食い違うこと。どれを見ているかで、同じ流れでも絵が変わる。