浮力

力と抵抗

押しのけた流体の重さぶんだけ上を向く力

何を言っている?

押しのけた流体の重さと同じだけ、上向きに受ける力です。液体や気体は深いところほど圧力が高いので、物の底を押し上げる力が、上面を押し下げる力より強くなります。その差が引き算で残ったものが浮力で、水が下から引き上げているわけではありません。氷が浮くのも、同じ体積で水より軽いからです。

読み方の目安

水なら一リットル押しのけて一キログラム分ほど。人の体は水とほぼ同じ詰まり具合なので、息を吸えば浮き、吐けば沈みます。空気の中でも働いていて、一立方メートルで一キロ強。体重計の数字はその分だけ軽く出ています。同じ重さでも、かさが大きいほど強く押し上げられます。

どこで使われているか

船や浮きの設計、潜水艦の潜り方、気球、比重を測る道具。温まって軽くなった部分が押し上げられる動きも同じ力で、鍋の中の対流や湯気の立ちのぼりは、周りより軽い部分が浮力で持ち上げられて起きています。熱気球は中の空気を温めてかさの割に軽くし、この力で浮きます。

はまりどころ

重力があってはじめて成り立つ力です。宇宙で浮いている状態では圧力の縦の差が消え、浮力も生まれません。ろうそくの炎が球に近い形になるのはそのためです。素材そのものの重さではなく、周りとの詰まり具合の差だけで向きが決まり、差が消えればどんな物も浮きません。

解説動画: 【中3理科p1】水圧・浮力!【水中にはたらく力とは?】【運動とエネルギー】/ぽにょん 中学理科あにめ!

ゴム膜のへこみ方: 水にポリ袋ごと手を入れると袋が貼り付き、全体が押される感覚がある。それを見えるようにするのがゴム膜を張った器具で、浅い所ではわずかにしかへこまず、深い所では大きくへこむ。上下に向けて入れると上面は小さく下面は大きくへこむが、同じ深さなら向きを変えてもへこみ方は同じ。その地点より上にある水の重さで押されるので、深いほど大きく、あらゆる方向から働く。

ばねばかりで測る: 用意するのは深さのあるビーカーと水、同じ大きさで重さの違う重り二種類、そしてばねばかり。ニュートンの目盛りが書かれた面を使い、質量100グラムに働く重力が約1ニュートンという換算を頭に置く。空気中で測ってから、重り全体が浸るなるべく浅い所と、底に触れない限界まで深い所で読み比べる。

深さを変えても同じ値: 水中では空気中より小さい値が出る。ところが深く沈めても浅かった時と同じ数値のまま動かず、重さの違うもう一つの重りでも同じだった。重りが軽くなったわけではないので、重力と反対向きに押し上げる力が働いていることになる。これが浮力で、大きさは深さに関係しないと結論づける。

上下の水圧の差が残る: 矢印で描き直す。上面にかかる水圧は短い矢印、下面は長い矢印で、下からの矢印が余った差の部分が上向きの浮力になる。深い所へ移せば上下とも矢印は伸びるが、差の部分は変わらない。空気中と水中で読んだ数値の差を計算しても、浅い所と深い所で同じ大きさになった。

浮くか沈むか、水面で止まる: 同じ体積で重さの違う物体を並べ、浮力と重力の矢印を比べる。重力のほうが大きければ沈み、浮力のほうが大きければ浮かんでいく。水面まで上がると水中に入っている部分の体積が減るので、かかる水圧も浮力も小さくなり、重力と同じ大きさになった所で水面に浮いて止まる。