ヨーグルトの種菌
麹と種菌
ヨーグルトの種菌は、市販のプレーンヨーグルトを種にする方法と、粉末の専用種菌を使う方法の2つがあります。
どんなもの?
牛乳を固める乳酸菌を、種として加えて作るヨーグルトです。種には、生きた菌が入った市販のプレーンヨーグルトを使う方法と、粉末の専用種菌を使う方法があります。どちらも、牛乳を185°F(約85℃)まで加熱してから、種を入れられる温度まで冷まし、保温して固めます。米国の大学の家庭向け指針(ユタ州立大学・アラスカ大学)が、この手順を書いています。
選び方
市販品を種にするなら、生きた菌が入ったと書かれたプレーンヨーグルトを選びます。米国の大学の指針も、この条件を挙げています。粉末の種菌は、パッケージの指示どおりに使います。アラスカ大学の指針では、1クォート(約0.95L)に5gの1袋が一般的な目安です。種を多く入れるほど、ゲルは固くなり乳清(水っぽい液)が出にくいと、実験室の研究が報告しています。
使い方のコツ
牛乳1クォート(約0.95L)に、種を1/4カップ(約60ml)入れます。牛乳は185°F(約85℃)で10〜20分保ち、112〜115°F(約44〜46℃)まで冷ましてから種を入れます。115°Fを超えた牛乳に入れると、菌が死ぬことがあります。保温は110°F(約43℃)前後で4〜7時間が、アラスカ大学の手順書の目安です。ユタ州立大学は、ヨーグルトメーカーで4〜8時間と書いています。
手入れ・注意
ユタ州立大学の指針は、種を元気に保つため、少なくとも週1回は作ることを勧めています。作ったヨーグルトの1カップを残して次の種にする方法を、何度でも繰り返せると書いています。この繰り返しは、ヨーグルトを種にする場合の話です。固まらないときは、アラスカ大学の指針が次の原因を挙げています。種の質が悪いこと。保温温度が高すぎても低すぎても、菌の増えが遅くなること。
出典
- 公的機関・英語 Julie Cascio・Roxie Rodgers Dinstel(University of Alaska Fairbanks Cooperative Extension Service)(2024) Making Yogurt at Home
- 公的機関・英語 Kelsie Maw ほか(Utah State University Extension) Homemade Fermented Yogurt
- 論文・英語 Lee WJ, Lucey JA(Journal of Dairy Science)(2004) Structure and physical properties of yogurt gels: effect of inoculation rate and incubation temperature
解説動画: ヨーグルトメーカー不要!ヨーグルトを10倍に増やす方法を教えます/ザキ's kitchen
市販品をそのまま種に: 用意するのは牛乳と、食べる用に売られているカスピ海ヨーグルトだけだと言います。売り場にはカスピ海ヨーグルトの元も並んでいますが、食べるほうの市販品でそのまま代わりになる、というのが動画の立て方です。牛乳は成分無調整のものを選び、乳飲料は使わないと念を押します(→ヨーグルト)。
牛乳に対して一割: 入れる量は牛乳1Lに対して種は100g、つまり一割です。牛乳パックのまま仕込むやり方なら、容器を消毒せずに済むのが利点だと言います。小さな保存容器に少量で作るときは、煮沸やアルコールで消毒してから使うよう言い添えます(→容器と器具の消毒)。使う道具も、混ぜるための長い箸と、種をすくうスプーンくらいのものです。
常温に置いて待つ: ふたは閉め切らず、ほこりよけに紙をかぶせて輪ゴムで留めるだけにしています。あとは常温に置いておくだけで、気温が25℃を超える時期なら翌日、秋は二、三日、冬は一週間ほどかかると言います。この回は24時間でしっかり固まりました。猫にひっくり返されない置き場所だけ考えて、あとはほったらかしでよいそうです(→季節と室温)。
できたものから継ぐ: 出来上がりに甘みはないので、蜂蜜や砂糖を足すか、料理に使うとよいと言います。次を仕込むときは、できたヨーグルトから同じ一割ぶんを取って同じ手順を繰り返すだけ。何回続けられるかという問いには、毎回作り続けていたわけではないと断ったうえで、六回ほど作れたと自分の実績で答えています。牛乳パックひとつで1Lぶんができるので、量としては多めだとも話しています。
種は冷凍で保てる: 毎回は作らないという人に向けて、種にするぶんを冷凍で保存できると紹介します。作りたくなったら解凍して、また同じように牛乳へ入れるだけです。実際に半年から一年ほど凍らせたものを解凍して仕込んでも、きちんとできたそうで、長く保存しても種の菌が生きていることがある、という話で動画を締めています。