サワードウブレッド
パン・生地
サワードウブレッドは、イーストを使わず自家製のパン種だけでふくらませる、酸味と香りの強いパンです。
どんな発酵?
自家製のパン種だけでふくらませるパンです。パン種の中では乳酸菌と酵母がいっしょに働いていて、乳酸菌が作る酸味と、複雑な香りが出ます。イーストのパンより発酵に時間がかかりますが、生地が酸性になるぶん日持ちもよくなります。日本の研究チームが、レーズンシロップで起こしたサワードウパンと市販のイーストパンを3日間保存して比べたところ、サワードウのほうが香りの成分が安定し、油脂の酸化を示す値が抑えられていたと報告しています。
材料
強力粉、水、塩、パン種(元種)。粉に対して水65〜75%、塩2%、種20%前後が目安。塩は必ず入れます—— 味だけでなく、生地の締まりと発酵の速さを調整しています。英語の料理チャンネル「Natasha's Kitchen」は、塩素が残った水は酵母や乳酸菌の働きを鈍らせるので、浄水を使うよう勧めています。粉は強力粉だけでなく、ライ麦粉や全粒粉を一部混ぜると酸味と香りが強く出ます(→ライ麦の種おこし)。
仕込み方
粉と水を混ぜて休ませ(オートリーズ)、種と塩を加えます。3〜5時間かけて数回折りたたみながら一次発酵、成形して冷蔵で一晩の二次発酵。250℃前後で、最初は蓋をして蒸気を閉じ込めて焼くと釜伸びします。生地をこねる代わりに、水で手を濡らし、生地の端を持ち上げて折りたたむ「ストレッチ&フォールド」を30分おきに3〜4回行うと、グルテンの力が強くなります。
見極めと失敗
ふくらまない原因は、種の力不足か、温度が低いか、一次発酵が足りないか。焼き上がりを叩いて、軽く高い音がすれば中まで火が通っています。粘りがあって糸を引くパンは、焼き直さず廃棄してください(→糸を引く・ぬめる(納豆以外で))。海外の総説論文は、発酵によってグルテンやFODMAPが減り、ミネラルが吸収されやすくなる可能性があると述べつつ、人での効果を確かめた研究はまだ十分でないとも指摘しています。
出典
- 論文・英語 Ribet L, Dessalles R, Clement H, Nyhan L, Baptista NT, Wang Y, Arendt EK, Durand-Dubief M(2026) Fermentation in breadmaking: enhancing digestibility and nutritional value for gastrointestinal health
- 論文・英語 Zhang J, Maeda T, Nakamura S, Sugiyama K, Iijima Y, Tanaka T, Isoya S, Hasegawa K, Araki T(2026) Multi-Omics and Chemometric Analysis of Aroma and Shelf Life Dynamics in Raisin Syrup Sourdough and Commercial Yeast Breads
- 動画・英語 Natasha's Kitchen Bake the Perfect Sourdough Bread: A Step-by-Step Guide
- 動画 のりこ🇺🇸アメリカ在住ママのレシピ 天然酵母スターターで焼く|サワードウパン作り|Sourdough Bread
解説動画: 『サワードウブレッド/第3弾』 手捏ねで作るサワードゥブレッド/How To Make Sourdough Bread For Beginners/パン屋のサッちゃん
初心者向けの配合: サワードウの生地はベタつきやすく、慣れないと扱いにくいと動画は言います。そこでこの回は水分を少なめにして、扱いやすくした配合を紹介しています。粉は最強力粉で、色づきをよくする粉は入れなくてもかまいません。まず粉と水だけを混ぜ、粉気がなくなったら休ませます。最強力粉なので生地は硬めに感じる、と断っています。
種と塩を加えて捏ねる: 休ませた生地にサワードウ(自家製パン種)と少量のインスタントドライイースト、塩を加えます。まだ混ざりきらない状態で台へ出し、そこからひたすら捏ねていきます。生地を広げて薄い膜が張るまでが目安。捏ね上がったら表面を張らせて丸め、出てくるガスを中に閉じ込める形にしてラップをし、2時間の一次発酵をとります。
軽く抜いて、丸める: ガス抜きはギュッと押さえず、軽く押さえる程度にとどめます。丸めて30分休ませたあと、二つ折りを二度重ね、指で生地の端を下へ押し込みながら回して表面を張らせます。一度でグイグイ引くと生地が切れるので、少しずつ回して丸くしていきます。裏側は閉じ目が開いているので、手繰り寄せてつまんで閉じます。
二次発酵から焼くまで: 霧を吹いてごまをまぶし、布を敷いたざるに伏せます。ごまが付いているので、器にはくっつきません。33〜35度で1時間ほどが目安で、温度の低い場所なら1時間半と見ます。焼く前の切り込みはためらわずに一気に引く。210度で20分ほど焼き、高さが出て、切り込みが開いていれば発酵はよい具合だと言います。
イーストを抜くと: 切って食べると、ふわふわでしっとりして、酸味はほのかだと話します。慣れてきたらイーストを抜き、パン種だけで焼くのが次の段階。同じ室温でも一次発酵は3時間から3時間半に伸び、涼しければもっとかかります。見た目だけでは分かりにくいので、まず一度焼いて感覚を作ってほしい、と結びます。