塩水(呼び水)

水分・pH

塩水(呼び水)は、水が上がらないときに足す、真水ではなく仕込みと同じ濃度の塩水のことです。

なぜ効くか

水が上がらないときに真水を足すと、塩分濃度が下がって守りが弱まります。足すべきは、その仕込みと同じ濃度の塩水です。液面が上がって材料が沈めば、空気を断てて、濃度も保てます。塩の濃度を変えて野菜11種を発酵させたベルギー・アントワープ大学の実験では、塩が少ないと乳酸菌が優勢になるのが遅れ、腸内細菌目の菌が多くなりました。

目安

白菜漬けなら2〜3%、ザワークラウトなら2%、梅干しなら20%前後の塩水。計算は「水の重量×濃度」で、塩を溶かしてから注ぐ。一度沸かして冷ました水を使うと、余計な菌を持ち込みません。米国のNCHFP(家庭食品保存センター)も、ザワークラウトの汁が足りないときは沸かして冷ました塩水(水1クォートに塩大さじ1.5)を足すとしています。

外れたときの症状

真水を足すと、その部分から濁り・ぬめり・カビが出やすくなります。注ぎ足しても材料が浮くなら、重石が足りていません(→水が上がらない)。塩水と重石はセットで考えてください。丸ごとの野菜なら、発酵用ふたの会社Masontopsの動画でSandor Katzは水に対し5%の塩水を最小限だけ注ぐと話し、1Lの瓶に塩水が半量なら全体で2〜2.5%ほどになると説明しています。

出典

  1. 論文・英語 Eilers T, Van Rillaer T, Wittouck S, Tuyaerts I, Michiels K, Victor M, Gehrmann T, Bron PA, Van Beeck W, Lebeer S(2026) From diversity to dominance: how salt and CO2 shape LAB-dominated ecosystems in vegetable fermentations
  2. 公的機関・英語 National Center for Home Food Preservation, University of Georgia Sauerkraut
  3. 動画・英語 Masontops Sandor Katz Interview - How to Make Brine to Ferment Whole Vegetables