浜納豆・寺納豆
浜納豆・寺納豆は、名前とは違って納豆菌を使わず、大豆を麹菌で豆麹にして塩水で熟成させ干した食品です。


図: オトモシリーズ(オトモシリーズで作成した図)
発酵の中身
名前は納豆ですが、納豆菌は使いません。蒸した大豆に麹菌を付けて豆麹にし、塩水で熟成させ、天日で干したものです。関わるのは麹菌のほか、Streptococcus・Pediococcus という細菌です(米国の SoyInfo Center)。糸は引かず、「濃いお味噌みたいな味」です(浜松市)。京都の大徳寺納豆と、浜松・豊橋の浜納豆が知られます。
材料
大豆、麹菌(種麹)、塩、水、麦の粉(炒った小麦や裸麦。作り手で違う)、仕上げの生姜、山椒(入れる作り手も)。豊橋の國松本店は、大粒の愛知県産フクユタカを使うと東海農政局が紹介します。SoyInfo Center が載せる分析の一例では、浜納豆は水分38.9%・塩分9.8%、大徳寺納豆は水分29.2%・塩分16.8%です。
仕込み方
大豆を水に浸して蒸し、麦の粉と種麹を混ぜます。25〜38℃で約4日置くと豆麹になり、塩水の樽へ移します。樽では重石をして空気に触れさせず熟成させ、仕上げに天日で干す工程が入ります(國松本店)。期間は作り手で違い、浜納豆は製造全体で約6か月、熟成だけで1年以上をかける例もあります。大徳寺納豆は夏に仕込み、室で1週間発酵させてから炎天下で2か月熟成します。
見極めと失敗
豆麹づくりが家庭では難しい部分です—— 大豆の表面がなめらかで、納豆菌に負けやすい。納豆を食べた日は仕込まない(→納豆のようなにおい(納豆菌の混入))。干し上がったものは塩分が高く、常温でも日持ちします。
出典
- 資料・英語 William Shurtleff・Akiko Aoyagi(Soyinfo Center)(2007) History of Soy Nuggets (Shih or Chi, Douchi, Hamanatto)
- 論文 大谷貴美子ほか(京都府立大学)(2007) 大徳寺瑞峯院納豆の製造過程におけるDPPHラジカル消去活性の変化とその関連物質について
- 公的機関 浜松市 産業部 農業水産課(はままつフードパーク)(2024) 浜松の浜納豆のヒミツ
- 公的機関 農林水産省 東海農政局(2023) 令和5年度「國松本店」における取組
- 動画 はまなっとう発酵TV(國松本店)(2021) 第5回【公式はまなっとう発酵TV】國松本店濱納豆ってどうやってつくってるの?そのなぞに迫ってみた!
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