歌の技術図鑑 | オトモクリエイティブ

エッジボイスは、声帯の閉じ具合を確かめる、低くきしませる音。

難しさ

練習すればできる

効くところ

声の安定

技術の中身

声帯をごく弱く閉じて低くきしませる音です。ドアがきしむような「あー」で、音程を持たないほど低いのが特徴。息の量が少なくても鳴るため、声帯が閉じている状態を自分の耳で確かめる目印として、歌う前の点検や声の出し始めに使われます。歌の中で聞かせる音ではなく、体の点検用の音という位置づけです。高速度カメラと声帯の動きをとらえる機器を使った国内の総説では、地声・裏声・ホイッスルボイスと並ぶ声帯の震え方のひとつとしてエッジボイスを位置づけ、吐く息の流れが少ない領域で起きる震え方だとまとめています。息が少なくても鳴るのは、弱めているからというより、この震え方自体の性質だということです。

やり方

息を半分吐いてから力を抜き、自分の最低音よりさらに下を狙って「あー」と言います。喉を力んで鳴らそうとせず、息をほとんど流さないのがこつです。鳴ったら5秒保ち、そのまま音程のある声へつなげると、閉じた感覚を残したまま歌い出せます。うまく鳴らないときは、あごを下げて口まわりの力を抜いてから試します。ボーカルスタイリストの西貴正は、鳴らしたエッジボイスに声を混ぜたままサイレンのように低い方から高い方へ動かす練習を紹介しており、換声点で裏返る感覚をこの震えのまま通り抜けると、切り替えの境目がやわらぐとしています。

練習のしかた

歌う前の1〜2分、音量は最小のままエッジから普通の声へつなぐのを10回。うまくいった日は語尾がかすれにくくなります。鳴らない日は喉が乾いているだけのことが多いので、飲み物の選び方を先に見直してください。回数を増やすより、歌う前に毎回短く入れるほうが身につきます。

やりがちなミス

面白い音なので長く続けたくなりますが、何十秒も鳴らすと喉が乾きます。あくまで数秒の確認にとどめてください。声がかれている日や痛みのある日は行わず、大きな音でやらないこと。弱く鳴るくらいがちょうどよく、強く鳴らしても得るものは増えません。西貴正も、この鳴らし方をしている間は喉に負荷がかからないと説明していますが、それでも違和感が出たらすぐにやめてください。鳴らしたあとに喉がいがらっぽく感じたら、その日はもう使わないほうが無難です。

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の解説動画

【ボイトレ基礎】声帯閉鎖を鍛えるコツと練習

パチパチ鳴る声の正体

息をほとんど漏らさずに声帯を合わせると、パチパチ・ビチビチした音が出る。これを狙って出せるようになると、閉じている感覚そのものがつかめる。歌っているときに息漏れが聞こえる状態を減らすための、最初の一歩として扱われている。

喉ではなく息を絞る

大きい声も強い声も要らない。息を出しすぎると鳴らないので、体でせき止めるようにして息の量を絞る。喉仏の裏あたりが軽く働く感じは残しつつ、喉全体に無駄な力を入れるのは無し。小さな声なのに体を使う練習だと説明している。

出ない人は低い唸り声から

どうしても鳴らないときは、出せるかぎり低い声へ下げていく。唸り声のような、これ以上は下げられないという高さまで来たところで一瞬パチッと鳴ることがあり、それが見つかればあとは続けるだけ。普段から息漏れ気味の人にはいきなりは難しいので、少しずつ鳴らせるようにしていく。

吸いながら鳴らす

慣れたら吸いながら同じ音を鳴らす。最初は吸いすぎて音が乱れてもよく、慣れてきたら吐くときと同じくらいの少ない息で通す。2〜3分は吐きだけ・吸いだけで慣らし、その後に交互へ。息継ぎなしで続く呼吸のような状態になる。吸う側は必須ではないとも言っている。

歌う前と歌ったあとに

母音を変えて鳴らすとバリエーションが増える。練習の後に喋ってみて、息漏れが減った・合っている感じがあれば効いている。歌う前のウォームアップや歌ったあとのクールダウンに混ぜるのが勧められていて、カラオケの席で小さくやるのもありだとしている。

出典: connect(YouTube)で動画を見る ▶

出典

  1. 論文 斉田晴仁/音声言語医学(2023) 歌声の調節機構
  2. 動画 西貴正 | VOCAL STYLIST 【1分間でOK!】エッジボイスで高音発声のコツを掴める!【ボイトレ】