歌の技術図鑑 | オトモクリエイティブ

リップロールは、唇を震わせて息と喉を整える準備運動。

難しさ

すぐできる

効くところ

声の安定

技術の中身

唇を閉じたまま息を通し、ぷるるると震わせながら声を出す運動です。震えが続くには息の量が一定であることが要り、喉に力が入ると止まります。だから自分で正解が分かるのが利点です。ウォームアップの定番で、低い音から高い音までを軽くならすのに向き、その日の喉の温まり具合を測る役にも立ちます。出口を狭める半閉鎖声道運動の一種で、数理モデルでは、息の圧が高くても声帯が過度にぶつかりにくいと示されています。

やり方

口を軽く閉じ、人差し指で口角を少し押し上げてから息を出します。震え出したら声を足し、低い音から高い音へゆっくり上げて下げます。1回10秒を5往復で喉が温まります。震えないときは唇の力を抜くか、水をひと口含んでから。部屋に入って1曲目の前にできます。

練習のしかた

歌う前の2〜3分で十分です。伴奏だけ鳴らして歌わずにリップロールで曲をなぞると、音程と息継ぎの場所を同時に確かめられます。目安はサビの高さまで震えが止まらないこと。止まる高さが、その日の調子の目印になります。息が尽きる前や緊張を感じた時点で止め、短く区切って一日に何度か行います。前もってブレスの位置を決めてあると、なぞるだけで確認が済みます。

やりがちなミス

唇が乾いていると震えません。油分の多いものを厚く塗ると滑って余計に難しくなるので、水で湿らせる程度にします。出ないのを力で押し切っても息が漏れるだけで効果はなく、喉が疲れます。数分やって震えない日は無理をせず、ハミングに替えるほうが結果的に早いです。

解説動画

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まず息の強さを確かめる

リップロールが回らない原因の一つは息が弱すぎること。首と肩の力を抜いてゆったり深く吸い、ある程度気持ちよく音が出るくらい吐きます。強すぎる必要はありません。呼吸の音が聞こえないほど小さい人は、この段階でつまずいている可能性が高いと説明されます。

唇の力みが震えを止める

もう一つの原因が唇の力みです。息を吐くときに唇がグッと締まって音が変わる人は要注意。「フ」と言うつもりで唇の力を抜いて吐くのが正しい形で、唇に力を入れて構えるのはNGだと示されます。力の抜けた息がそのまま回転の材料になります。

ほっぺを押して息だけで

呼吸ができたら唇はギュッと閉じず優しく閉じるだけにして、ほっぺたを指で軽くキュッと押す。その状態で先ほどの息を通すと、声を出さなくても赤ちゃんのような震えが勝手に起きます。唇を自分で動かそうと頑張る必要はなく、回ったら最後に音を乗せます。

長く吐こうとしない

それでも回らない人には長く伸ばそうとしない道順が示されます。首や肩をやる気のない寝起きの顔まで脱力し、一瞬のため息だけで出す。次に2秒続けるのを目標にし、一瞬の音をテンポを速くして連続させ、間をつないでいくと長さが出ます。

出てくる波は先の練習

この段階では音に波が出てもかまわないとされます。長くやろうとすると難しいので勢いを使ってよい。その波もやがてコントロールできるようになり、ビブラートの練習にもつながる、と話されます。少しでもできると手応えが出て続けやすくなる、という締めくくりでした。

出典: ココウィズちゃんねる(YouTube)で動画を見る ▶

出典

  1. 論文・英語 Ingo R. Titze ほか(2021) Vocalization with semi-occluded airways is favorable for optimizing sound production
  2. 公的機関・英語 ケンブリッジ大学病院(NHS) Lip trills exercises

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