練習にも気晴らしにも使う、1人の時間の組み立て。
1人のカラオケは、順番を待つ相手がいないぶん、時間の割り方を全部自分で決められる。入室から退室までを声の確認・温め・本命の曲・録音の聞き返し・好きに歌うの5つに割っておくと、練習の日も気晴らしの日も同じ枠で回せる。固定するのは順番だけで、曲は毎回変えてよい。
1曲目は、毎回同じ曲に固定する。歌い慣れた曲を同じ高さで通せば、その日の声の出方を前の回と比べられる(いくちゃんねる)。覚えていない新曲を頭に置くと、音程を追うことに力を使い、本命の曲まで声が残らない(同)。原曲の高さが重い曲なら、下げた高さを固定の1曲目にしてよい。下げ方はキーを変えるの項目に、自分の高さの決め方は原曲キーと自分の音域にある。
声を出し始める前に、低い音から順に30秒から1分だけ声を通しておく。地声で下から「あー」と上げるだけなので、部屋に入る前の移動中でも済ませられる(MARKの「カラオケ講座」・教室の案内あり)。守るのは高い音から入らないことだけ。慣らし方の中身はウォームアップ、高い声が出ない日の手当ては高い曲が出ないときの対処にまとめた。
同じ曲を何度も通すだけでは、歌い方は変わらない。1回ごとにしっとり歌う・元気に張るのようなテーマを1つ決め、別の歌い方で入れ直す(MARKの「カラオケ講座」)。目を閉じて感情を大げさに乗せる回と、勢いよく出し切る回を分けると、どちらも喉への刺激になる(同)。テーマを決めやすい曲の条件は練習に向く曲の条件にある。
自分の耳に届く声は、他の人が聞いている声とずれる。差があるまま何度通しても伸びにくいので、録音して聞き返す(しらスタ)。鏡を見ながら歌えば、口の開き方や姿勢の癖も自分で見つかる(同)。1人の部屋は、どちらも人目を気にせず試せる場所。録音で分かった声の質から曲を探す道筋は声質に合う曲の探し方にある。
採点は、点ける前に使い方を決める。マイクが口から離れていると伴奏の音を拾い、音程の判定が崩れるので、拳1個ぶんの距離に置く(しらスタ)。画面の音程バーに合わせて声を上下させすぎると喉が疲れ、リズムまで崩れる。耳を頼りに音と音を滑らかに繋ぐほうが、しゃくりのような加点も入りやすい(同)。息の混じった柔らかい声では音程を取りづらいので、音程の練習は硬めの声で行う(同)。機種ごとの癖は機種による採点の違い、曲の向き不向きは採点に向く曲と向かない曲にある。
点数を伸ばす時間と、好きに歌う時間は切り離す。ミュージシャンの山口一郎は、音程の正しさを測る機能が歌い手の個性を削ると述べ、リズムと自分の歌い方を先に置くよう勧めている。同じ機能は、音程の練習の物差しとしても説明されている(しらスタ)。1人の部屋なら、前半を測る時間、後半を測らない時間に分けられる。点数と歌のうまさの関係は点数とうまさは別のものにまとめた。
気晴らしに使う日は、うまくなる目標を外してよい。前向きな感情や活動への没頭という枠組みは、1人で歌う場合にも集団で歌う場合と同じように当てはまると論じたレビューがある(Dingle ら 2019)。ただし、人との関係や楽しさは集団のほうが高まるという議論も、集団で歌うほうがひとりより健康面で有益だとする研究も、同じレビューに併記されている。リハーサルのような負担の軽い場面で歌ったあとは唾液のコルチゾールが下がり、本番のような緊張する場面では上がる報告も引かれている(同)。点を測る日とただ歌うだけの日を分けておくほうが、どちらも続く。
やりがちな失敗は3つ。覚えていない新曲を1曲目に置くこと、テーマを決めずに同じ曲を通し続けること、音程バーに合わせて声を上下させることが並ぶ。長い時間入るなら、声を出さない時間を途中に挟む。本命の曲が決まらないときは、好きな曲と歌える曲は違うの項目も合わせて読む。喉に痛みやかすれが出た日は、そこで切り上げる。かすれや痛みが続くときは耳鼻咽喉科へ。
出典
- 動画 いくちゃんねる カラオケ一曲目何を歌ったらいいの!? いくみ式選曲方法教えます。 いくちゃんねる
- 動画 MARKの「カラオケ講座」(カラオケ教室を案内・利害あり) 【意外と知らない3つの歌い方!】一人カラオケ いつの間にか上手くなる ベテラン講師だから分かる「これでもっと上手くなるんです!」 14年目 末光
- 動画 しらスタ【歌唱力向上委員会】 【ボイトレ】歌が上手くなりたい人が絶対に知っておくべき7つの常識。
- 動画 しらスタ【歌唱力向上委員会】 【目指せ85点】ボイストレーナー直伝!カラオケの点数が伸びない3つの原因。
- 動画 サカナクションノート 山口一郎の創作部屋 「カラオケ採点機能は使っちゃダメ」歌が上手くなるのに必要な考え方
- 論文・英語 Genevieve A. Dingle ほか/Music & Science(2019) An Agenda for Best Practice Research on Group Singing, Health, and Well-Being