点数とうまさは別のもの
点数とうまさは別のものなのは、採点が測れるものと測れないものがあるという違いです。
採点の項目
全体
採点が見ているもの
採点が見ているのは譜面との一致と、決められた技術が何回出たかです。声の魅力、言葉の伝わり方、その場の空気に合っているかは一つも測られていません。人が歌を聞いて評価するときは、音程とリズムに加えて音色の明るさや声の明瞭さも軸に入ります(Cao ら 2009)。高い点は機械の求める歌い方に近いという意味の数字です。微妙なずれや癖は味や個性になりうると、ミュージシャンの動画解説は指摘しています。
伸ばし方
点は練習の道具として使うと合います。総合点ではなく音程正確率や抑揚のような数字を一つだけ選び、前回より上がったかを見ます。人前で歌う日はいっそ採点を切って、聞いている人の顔を見ながら歌ってください。そのほうがその一曲は良くなりますし、記憶にも残ります。プロの歌手は、歌う本人が楽しんでいるかが、聞き手に好かれて上手に見せるいちばんの要素だと話しています。
勘違いしやすいところ
点が出ないことを才能がない証拠のように受け取る必要はありません。人の耳で評価した研究でも、軸は音程・リズム・音色・声の明瞭さで、音域の広さは入っていません(Cao ら 2009)。逆に、自分の高得点を人に押しつけて回ると、その部屋の全員が歌いにくくなります。点は自分だけの物差しにしておくのが、いちばん平和です。
機種による違い・補足
採点の基準は数年ごとに見直され、そのたびに同じ歌の点が動きます。それでも音程の正確さは、機械と人の耳がよく重なる部分です。訓練を受けていない166人の歌の音程を専門家18人が採点した研究では、音の幅のずれ・上下の向きの誤り・調の外れを測った値が、採点のばらつきの81%を説明しました(Larrouy-Maestri ら 2013)。自分の変化は、録音機能で半年前の声と聞き比べると分かります。
解説動画
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【歌唱力】歌がうまいってどういうこと?ボイストレーナーが超わかりやすく解説します。
100点の向こう側
100点は正しい音程と正しいリズムで歌えた証拠ではあるが、その先にまだ段階がある——という置き方から始まる。歌のうまさを音程・リズム・発声の3つに分け、それぞれに3段階の熟練度を立てる。カラオケの音程バーの合わせ方で外さない状態は、この分類だと音程のレベル1にあたる。
音程は線ではなく立体
レベル2は狙う音への入り方と抜け方。下から到達するか、上からか、まっすぐかで表情が変わり、下から入ると切ない感じが出る。レベル3は、正解と判定される幅の中でわずかに高め・低めを選ぶこと。明るさや切なさを作るためにここを動かす歌い手がいて、音程には奥行きがあると表現している。
リズムはタイミングだけではない
レベル1が正しいタイミング、レベル2がフィール——リズムの最小単位が均等な曲か、ハネている曲かを感じ取れるか。合っているように見えても細かい単位を捉えられていないことがある。レベル3はアクセントで、どこに置くかで音楽のジャンルが変わる。置き方は打楽器の叩き分けのように声色で作り分ける。
使える音域と声色
服の数と着こなし
3つの熟練度はタンスに入っている服の数でしかなく、歌はその着こなしだと締める。全部着込めばいいわけではなく、曲のイメージ・届け方・時代・自分のキャラ・誰に向けて歌うかで選ぶ。会場で映える大きな抑揚がイヤホンで聴かれる配信では過剰になる例も。軸がこれだけある以上、ひとつの点数で優劣は決まらない。
出典
- 動画・英語 Lucas Meachem(プロの歌手) 6 Easy Steps To Singing Your Best Karaoke
- 動画 サカナクションノート 山口一郎の創作部屋(ミュージシャン) 「カラオケ採点機能は使っちゃダメ」歌が上手くなるのに必要な考え方
- 論文・英語 Cao C ほか(中国科学院声学研究所)(2009) Automatic Singing Performance Evaluation for Untrained Singers
- 論文・英語 Larrouy-Maestri P ほか(2013) The Evaluation of Singing Voice Accuracy: A Comparison Between Subjective and Objective Methods
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