順番・選曲・盛り上げ方の考え方。
友人と歌う部屋では、持ち時間を全員で分け合う。入室してすぐ決めると後が楽なのは3つで、終わりの時刻・1人あたりの曲数・機械の設定が並ぶ。残り時間から1人の持ち曲を割り出す手順は時間配分、音量とエコーを全員の声に合わせる話は音量とエコーの共有設定にある。最初の1曲は、場を作る役ではなく音量を確かめる役に使ってよい。
順番は、先に入れた曲が先に流れる仕組みに任せきりにしない。1人が続けて3曲入れると、その間ほかの人は聞く側に固定される。1曲ずつ回す・入れる前に次の人へ一声かける、といった置き方は予約の入れ方と順番と間の取り方の2項目にまとめた。歌い終わりの拍手と、相手の曲への一言が、次の人の入りやすさを決める。
選曲の軸は2つある。自分が歌いたい曲と、その場の人が聞きたい曲で、友人と入る部屋では後者を先に置く(全国規模の大会で優勝した歌い手の解説・New York Daily News)。お酒の入っていない早い時間に大合唱向きの曲を置いても乗りにくく、場が温まってからのほうが合う(同)。歌詞と構成を覚えていない曲は、音を追うことに力を使い、表情や間まで回らない(同)。テンポのある曲か全員が知っている曲を選び、自分の声域に対して高すぎず低すぎない高さに収める(オペラ歌手の Lucas Meachem)。原曲の高さが重いなら、原曲キーと自分の音域の項目で自分の幅を確かめる。
盛り上げ方は、声を張ることではなく、ほかの人が参加できる形を作ること。1曲を2人で分ける形はデュエット、主旋律の脇に別の音を重ねる形はハモリを入れるの項目にある。重ねる音は主旋律の3度上か3度下が基本で、半音や全音しか離れていない隣の音は不協和に寄る(タカハモ)。実際の曲ではコードが動くので、3度と4度の間を行き来する(同)。上が苦しければ下に回す手もある(同)。3度を追えない人には、曲の調の主音か5度の音を1音だけ伸ばし続けるやり方が向く(Saher Galt)。1曲の中でも、Aメロを息混じりに抑え、サビで声を前に出すと起伏が伝わる(Lucas Meachem)。歌わない間奏は、聞いている人とやり取りする時間に使える(New York Daily News)。
一緒に歌う時間は、関係の作り方そのものに効く。成人教育の新しいクラスを7か月追った研究では、歌うクラスは早い段階で親密さが大きく伸び、手芸や創作文のクラスは時間をかけて追いついた(Pearce ら 2015)。同じ研究者らが大学の男子学生団体88人で行った実験では、4人組で歌ったあと、別の仲間集団の相手とは協力でも競争でも親密さが上がり、もともと親しい相手とは競争のあとで下がった(Pearce ら 2016)。うまさを競う形にしないのは、場を守る側の話でもある。
聞く側の時間が長い人は、場から降りていく。知らない曲が続いたときの振る舞いは知らない曲を聴く側のふるまい、年の離れた相手との距離を詰める選曲は世代の違う相手と歌うの項目にまとめた。やりがちな失敗は3つ。1人が予約を重ねて埋めること、覚えていない曲を見栄で入れること、聞く側に回り続ける人を放っておくことが並ぶ。終わりの時刻が近いなら、全員が知っている曲を締めの曲に置く。
出典
- 論文・英語 Pearce E ほか/Royal Society Open Science(2015) The ice-breaker effect: singing mediates fast social bonding
- 論文・英語 Pearce E ほか/Psychology of Music(2016) Singing together or apart: The effect of competitive and cooperative singing on social bonding within and between sub-groups of a university Fraternity
- 動画・英語 New York Daily News(全国規模の大会で優勝した歌い手の解説) How to do karaoke even if you can't sing
- 動画・英語 Lucas Meachem(オペラ歌手) 6 Easy Steps To Singing Your Best Karaoke
- 動画 タカハモ 【ハモり練習】ハモリの仕組みを徹底解説【3度上・3度下でハモる】
- 動画・英語 Saher Galt An easy trick for singing HARMONY!