口との距離と向きで、声の入り方がどう変わるか。
マイクに声がどう入るかは、口との距離と向きのほとんどで決まる。カラオケの部屋にあるダイナミックマイクは、正面の音をよく拾い、横や後ろの音は拾いにくい単一指向性を持つ。ボイストレーナーのけいたん(けいたんの歌うま増やします。)は、マイクの網(ヘッド)を口の正面にまっすぐ向けることをまず最初に挙げ、ここがずれるだけで声の通りが大きく変わると説明している。
距離の目安は、部屋のダイナミックマイクなら口先から5センチ前後。ボーカルコーディネーターの佐々木ひとえ(VocaLifeチャンネル)は、レコーディングで使うコンデンサーマイクの15〜30センチより近づけてよいとし、Aメロなど張らない部分ではさらに口元へ寄せてもよいと述べている。けいたんは、網から指2本分ほど離すのをニュートラルな開き方として挙げている。細かい測り方はマイクとの距離にまとめた。
向きはおよそ45度から少し上を目安に、網をヘッドの真正面で受けるように構える。持つ位置は柄の真ん中あたりで、網を手で包み込む持ち方は避ける。けいたんと佐々木ひとえは、網を覆うと前以外の音まで拾いやすくなってハウリングを起こしやすく、声もこもると口をそろえて指摘している。持ち方の細部はマイクの持ち方にまとめた。
歌う強さが変わると、距離の扱いへの考え方も分かれる。Sweetwaterの動画に出たボーカリストのマーカス・スコット(楽器店の動画・利害あり)は、声を張る場面ではマイクを少し遠ざけ、ささやく場面では口元へ寄せると、音割れと聞こえにくさの両方を避けられると説明する。マイクを口に近づけるほど声が低く太く響くのも、この近さが効く近接効果のためだ。一方、ボーカルコーチのソフィー・シア(1108 Vocal Studio・有料教材を販売・利害あり)は、サビで思わずマイクを遠ざけたくなるのは地声を張りすぎている合図だとみて、ミックスボイスに切り替えて声量を抑えれば、マイクを動かさずに歌い切れると勧めている。どちらも一度試して、自分に合う方を選ぶとよい。
ワイヤレスマイクを持つときは、アンテナの部分を手で覆わない。マーカス・スコットは、アンテナを握ると電波が乱れて声が届きにくくなった自身の経験を話している。佐々木ひとえは、歌わない間は網をスピーカーへ向けず上向きにしておくと述べ、ワイヤレスと有線の違いを知っておくと不意のハウリングを避けやすい。
出典
- 動画・英語 Marcus Scott/Sweetwater(楽器店の動画・利害あり) Mic Techniques Every Singer Should Know with Marcus Scott
- 動画・英語 Sophie Shear/1108 Vocal Studio(有料教材サイトを運営・利害あり) Singing lesson - Microphone technique
- 動画 けいたんの歌うま増やします。 【カラオケ】驚くほど「マイクに声が通るようになる」3つの方法!
- 動画 ささきひとえ【VocaLifeチャンネル】 【マイクの使い方】ボーカリスト必見! 正しいマイクの使い方とNGな扱い方




