ヤマカガシ

危険生物(動物・ヘビ)

ヤマカガシは、おとなしいのに毒は強い蛇。

見分け方

全長70〜150cmで、背に赤と黒の斑が並び、若い個体は首に黄色い帯が入ります。カエルの多い水田や湿った草地にいます。性質はおとなしく、こちらから掴まなければまず咬みません。首の皮下には自分では毒を作らず、食べたヒキガエルの毒をそのまま体にためた腺があり、米国・日本の大学の共同チームが2007年に報告した調査では、ヒキガエルのいない離島の個体はこの首の毒をほとんど持たないことも確かめられています。

危険・注意

毒の牙は口の奥に固定されていて、深く咬みつかれるまで毒が体に入りにくい反面、咬まれた直後は痛みも腫れもほとんどありません。ところが半日ほどして出血が止まらなくなり、血尿や脳内出血に至ることがあります。国内のある症例報告では、16歳の患者が受傷から2時間ほどで出血が止まらなくなり、翌日には全身の血が固まりにくくなるDIC(播種性血管内凝固症候群)まで進んでいました。首の後ろから出る液も、目に入ると危険です。

出会ったら

手で捕まえない、首を掴まないことが最大の予防です。咬まれたら痛くなくても必ず救急要請し、蛇の色と模様を写真か言葉で医師に伝えます。マムシ用の血清はヤマカガシには効きません。ヤマカガシ用の抗毒素は保管する施設が限られていますが、受傷から4日以内に投与された症例では、重いDICからでも投与後すぐに出血が止まって回復したという報告があります。

出典

  1. 論文・英語 Hutchinson DA, Mori A, Savitzky AH, Burghardt GM, Wu X, Meinwald J, Schroeder FC(オールドドミニオン大学・京都大学ほか)(2007) Dietary sequestration of defensive steroids in nuchal glands of the Asian snake Rhabdophis tigrinus
  2. 論文 兒玉朋之ほか(公立宍粟総合病院外科、日本臨床外科学会雑誌)(2024) 急速に進行した線溶亢進型DICに対して抗毒素が著効したヤマカガシ咬傷の1例
  3. 公的機関 AMED「抗毒素製剤とその代替法の開発に関する研究」(阿戸班) ヤマカガシ | 血清療法

解説動画: 本州のヘビの見分け方:ヤマカガシの特徴とシマヘビとの区別/はぐくみ幸房

概要: 本州にすむ8種のヘビの見分け方を扱った動画で、ヤマカガシはマムシと並ぶ本州の毒蛇として最後に紹介される。ヤマカガシは関西と関東で色や模様が違うため、動画では話し手の地元である関西型を例にして特徴を説明している。

見分けの決め手は首の黄色: 決め手は首まわりが黄色いこと。頭のあたりが全体的に黄色っぽいと感じたらヤマカガシと考えてよい。目も、白目にあたる部分が黄色から黄金色に見える。子供のうちは頭の後ろの黄色い模様がはっきり出て首輪のように見えるが、大人になるとその模様は薄れていく。これが幼蛇と成蛇の違いになる。

シマヘビとの取り違え: 体色が近いシマヘビと紛らわしい。シマヘビは背中から尾にかけて黒い線が4本走るのが特徴で、英語でも4本線の名で呼ばれる。ただし若い個体は線がうっすらとしか見えなかったり、まったく無かったりする。そんなときは顔をよく見る。シマヘビは目のふちが赤く、ヤマカガシは頭まわりが黄色っぽい。この点を見れば区別できると説明している。

もう一種の毒蛇マムシ: 同じ毒蛇のマムシは最大60cmほどで、体が太く、尻尾が他のヘビより短い体型が分かりやすい違い。背中には特徴的な模様が並ぶが、子供のうちははっきりせず分かりにくい。危険なので、見つけても捕まえないことを繰り返し念押ししている。