マムシ

危険生物(動物・ヘビ)

マムシは、小さくても油断できない毒蛇。

見分け方

全長は45〜60cmほどと短く太い体で、頭は三角形に張り、背中に銭形と呼ばれる丸い模様が並びます。平地から山地の森林や藪、水辺や田の畦、石垣、草の茂みにいて、卵胎生で1回に2〜13匹の幼蛇を産みます(札幌市円山動物園)。ジャパンスネークセンターを取材したTBSの番組は、落ち葉の上では同系色で気づきにくく、その辺で待っている蛇だと伝えています。

危険・注意

咬まれると激しい痛みと腫れが数日かけて広がり、吐き気や下痢、物が二重に見えることもあります。国内の咬傷は年に2000〜3000件ほどとされ(AMEDの研究事業のサイト)、亡くなる人も出ています。千葉らが一般病院の114例(2004〜2016年)を調べた報告では、夏の日中に高齢の男性が多く、自力で来院した人は救急搬送の人より受診時の症状が重い傾向でした。

出会ったら

あわてず安静にし、むやみに動かず救急要請します。縛るなら、日進市は静脈が軽く浮く程度としており、強く縛らないでください。千葉らの報告では縛った群のほうが局所症状の悪化が多く(p<0.001)、口で吸ったり切ったりもしません。抗毒素は、聖隷三方原病院の108例では使った群の入院が短く、多施設のOROCHI研究では入院期間に差が出ず、使うかは医師が決めます。長靴を履き、落ち葉の上はサンダルで歩かないでください。

出典

  1. 公的機関 AMED「抗毒素製剤とその代替法の開発に関する研究」(阿戸班) マムシ(マムシ咬傷の抗毒素・血清療法)
  2. 公的機関 札幌市円山動物園(2025年3月28日更新)(2025) ニホンマムシ
  3. 公的機関 日進市 環境課(2024年6月10日更新)(2024) マムシに注意してください
  4. 公的機関 那須塩原市 環境戦略部(2025年2月28日更新)(2025) マムシに注意
  5. 論文・英語 千葉隆人ほか(Internal Medicine)(2018) Clinical Condition and Management of 114 Mamushi Bites
  6. 論文 古内加耶ほか(聖隷三方原病院ほか、日本臨床救急医学会雑誌)(2022) 当院におけるマムシ咬傷108例の検討
  7. 論文・英語 Kaneda K, Inoue T, Koga Y, Yagi T, Todani M, Nakahara T, Fujita M, Tsuruta R(Cureus)(2024) The OROCHI (Observational Research of Clinical Course After mamusHI) Study: A Prospective, Observational, Multicenter Study on the Efficacy of Mamushi (Gloydius blomhoffii) Antivenom Serum
  8. 動画 どうぶつ奇想天外・WakuWaku【TBS公式】 【日本で最も要注意な毒ヘビ】マムシの毒はハブの2倍強い!毎年3000人が被害に遭う理由と対策を解説【どうぶつ奇想天外/WAKUWAKU】

解説動画: マムシの熱センサー・射程距離・毒と、安全な扱い方/むしラボ ファミリー

概要と熱センサーの実験: 野外でパイプの中にいたマムシを模様で見分けて捕らえ、観察してから逃がすまでを記録した動画。ヘビは舌で空気中の匂いの粒子を集め、口の中のヤコブソン器官で匂いを嗅ぐ。マムシはそれに加えて目のすぐ前に開いた穴が熱を感じるピット器官になっている。冷たい水と人肌ほどの湯を入れた水風船を並べて揺らす実験では、温かい方だけを正確に狙って攻撃した。

跳びかかるのではなく体を伸ばす: マムシがジャンプして襲ってくるという話は基本的に否定している。とぐろを巻いた状態から縮めた分だけ体を勢いよく前へ伸ばすため、跳びかかったように見えるだけだと説明する。攻撃が届く距離は全長のおよそ半分で、最大級の60cmの個体でも30cm程度。とはいえ30cmはあまりにも近いので、野外でヘビを見かけたら触らず離れて観察するにとどめるのが無難としている。

毒と噛まれたときの症状: 毒牙は普段は上顎の中に畳まれていて、攻撃のときだけ立つ。噛みつかせて見せると黄色い毒液が出て、抜けても生え替わるため片側に2本ある様子も写る。噛まれると牙の跡が2つ開き、そこから出血毒が入る。まず強烈な痛みが走り、針で刺した程度の傷口とは思えないほど出血し、刺された指から腕までパンパンに腫れ上がる。全身症状も出て、治療を受けなければ命に関わり、亡くなる人もいると述べている。

捕獲時の持ち方と法律: スネークフックで頭をぐっと押さえ、そのまま人差し指で頭を上から押さえ、親指と中指で首を挟む3点で保持する。マムシの頭は他のヘビより柔らかく可動範囲が広いため、首を掴むより頭を上から押さえるやり方が一般的だという。胴が頭を持つ手に巻き付くと危険なので反対の手で体を押さえ、毒牙が長く顎を貫くので指を下顎の下に入れない。マムシは特定動物で飼育や保管には許可が必要なため、行政に確認したうえで観察後に逃がしている。