マムシ

危険生物(動物・ヘビ)

小さくても油断できない毒蛇

見分け方

全長45〜60cmと短く太い体で、頭は三角形に張っています。背中には銭形と呼ばれる丸い模様が並びます。水辺や田の畦、石垣、草の茂みに潜み、踏まれるまでじっと動かないことがよくあります。

危険・注意

咬まれると激しい痛みと腫れが数日かけて広がり、重い場合は腎障害や視力の障害が残ります。国内では毎年多くの咬傷が報告され、亡くなる人も出ています。最初が軽くても軽視できません。

出会ったら

走ると毒がまわるので安静にして患部を心臓より低く保ち、すぐに救急要請します。抗毒素を扱える病院での治療が必要です。口で毒を吸い出したり、手足を強く縛ったりしないでください。

解説動画: マムシの熱センサー・射程距離・毒と、安全な扱い方/むしラボ ファミリー

概要と熱センサーの実験: 野外でパイプの中にいたマムシを模様で見分けて捕らえ、観察してから逃がすまでを記録した動画。ヘビは舌で空気中の匂いの粒子を集め、口の中のヤコブソン器官で匂いを嗅ぐ。マムシはそれに加えて目のすぐ前に開いた穴が熱を感じるピット器官になっている。冷たい水と人肌ほどの湯を入れた水風船を並べて揺らす実験では、温かい方だけを正確に狙って攻撃した。

跳びかかるのではなく体を伸ばす: マムシがジャンプして襲ってくるという話は基本的に否定している。とぐろを巻いた状態から縮めた分だけ体を勢いよく前へ伸ばすため、跳びかかったように見えるだけだと説明する。攻撃が届く距離は全長のおよそ半分で、最大級の60cmの個体でも30cm程度。とはいえ30cmはあまりにも近いので、野外でヘビを見かけたら触らず離れて観察するにとどめるのが無難としている。

毒と噛まれたときの症状: 毒牙は普段は上顎の中に畳まれていて、攻撃のときだけ立つ。噛みつかせて見せると黄色い毒液が出て、抜けても生え替わるため片側に2本ある様子も写る。噛まれると牙の跡が2つ開き、そこから出血毒が入る。まず強烈な痛みが走り、針で刺した程度の傷口とは思えないほど出血し、刺された指から腕までパンパンに腫れ上がる。全身症状も出て、治療を受けなければ命に関わり、亡くなる人もいると述べている。

捕獲時の持ち方と法律: スネークフックで頭をぐっと押さえ、そのまま人差し指で頭を上から押さえ、親指と中指で首を挟む3点で保持する。マムシの頭は他のヘビより柔らかく可動範囲が広いため、首を掴むより頭を上から押さえるやり方が一般的だという。胴が頭を持つ手に巻き付くと危険なので反対の手で体を押さえ、毒牙が長く顎を貫くので指を下顎の下に入れない。マムシは特定動物で飼育や保管には許可が必要なため、行政に確認したうえで観察後に逃がしている。