ニホンザル

危険生物(動物・ヘビ)

ニホンザルは、食べ物を奪いに来る賢い野生動物。

見分け方

群れで行動し、高知県は群れの規模を10数頭から100頭超、多くは40〜50頭前後としています。カキやナシなどの果実を好む雑食で、群れを離れたハナレザルが山から10kmも離れた市街地に現れることがあります。岡山県は、本来は臆病な動物でも人慣れすると危険性が増し、同じ場所でエサにありつけると覚えて居着き、頻繁に出没するようになると説明しています。

危険・注意

目を合わせると威嚇されたと思い、視線をそらしたときに襲われることがあると岡山県や東大阪市は注意しています。近づく・追いかける・大声を出すのも、サルを興奮させて人に危害が及ぶ原因になります。高知県は観光地周辺での咬みつきなどの人身被害を挙げ、総説(Depretら, 2025)は、1970年代以降の都市化と森林伐採でサルが人の居住地へ出て、物的被害・作物の被害や攻撃的な遭遇が起きたと整理しています。

出会ったら

食べ物を見せず、絶対に与えないでください。餌付けは人慣れの原因になるためで(高知県)、米国の国立公園局も食料とゴミの確実な保管を求めています。近づかれたら目を合わせず、大声を出したり追いかけたりせず、刺激せずゆっくり離れます。咬まれたら傷を流水でよく洗って受診します。マカク類が持つBウイルスは人に重い脳炎を起こしうるとされ、確認された感染は33例と少なく、多くは研究施設での職業上の曝露でした(Kimら, 2026)。

出典

  1. 公的機関 岡山県自然環境課(2024年5月23日更新)(2024) イノシシやニホンザルの出没にご注意ください
  2. 公的機関 東大阪市 動物指導センター(2024年1月23日更新)(2024) サルに出会ったら
  3. 公的機関 高知県 中山間地域対策課(2024年1月31日公開)(2024) ニホンザルの生態と被害対策について
  4. 論文・英語 Depret L, Sueur C(Animals)(2025) Management of Coexistence and Conflicts Between Humans and Macaques in Japan
  5. 論文・英語 Kim Y, Lee JM, Hong JJ(One Health)(2026) Herpes B virus and the neglected risk of zoonotic spillover
  6. 公的機関・英語 National Park Service(米国)(2022) Leave No Trace Seven Principles

解説動画: 下北半島の野生ニホンザル、出産期から冬越しまでの一年/どうぶつ奇想天外・WakuWaku【TBS公式】

概要: 本州最北の青森県下北半島で、野生のニホンザルを一年かけて追った記録である。厳しい冬が過ぎた五月の新緑から始まり、出産と子育て、夏の食べ物、秋の交尾期、そしてまたやってくる冬までを季節を追って見せていく。餌付けされた観光地の群れではなく、山で暮らす群れの営みが対象になっている。

三月から四月の出産と、母乳だけの一か月半: 下北半島のニホンザルの出産期は三月から四月ごろで、メスは冬の間に消耗した体力を懸命に食べて回復させながら赤ちゃんを迎える。赤ちゃんは生後五日ぐらいから身の回りのものを触りたがるが、一か月半ほどは絶えず母親のお腹につかまったままで母乳だけで育ち、四か月になるころに木の芽なども食べ始める。

左右で違う母ザルのおっぱい: 群れの中で中心的な存在だという十五歳のメスは、向かって右のおっぱいが長く伸び、左は小さいままだった。これは右側で赤ちゃんを育てた証拠で、赤ちゃんは気に入ったほうのおっぱいを決めると、もう一方はあまり吸わなくなるため、吸われない側はだんだんお乳が出なくなるのだという。見比べると左右の差ははっきりしていて、どちらで育てたかが体に残っている。

蜂に刺されても追いかける: 八月、鬱蒼と茂った木々はサルにとって最高の隠れがになる。餌を物色していたこのメスは蜂を食べようとして刺されてしまうが、それでも逃げた蜂を追って茂みへ入っていく。痛い思いをしてでも食べたいほどのごちそうらしい。取材班は十四頭ほどの群れが互いを意識しつつ、程よい間隔を取って暮らす様子も捉えている。

群れを離れるオスと、厳しい冬: 秋は夏毛から冬毛に変わり、仲間を呼ぶ声が頻繁に聞こえる交尾の季節になる。オスは三歳半ぐらいで群れを離れるものが出てきて、離れザルと呼ばれる。耳や額に喧嘩の傷を残す一頭は順位争いに負けて追い出されたらしいが、離れザルが別の群れのメスと交わることで血が濃くなりすぎるのを防いでいる。冬は木の皮や松ぼっくりしか食べるものがなく、初めての冬で命を落とす子どもも少なくない。