イノシシ

危険生物(動物・ヘビ)

イノシシは、夜に生ゴミを狙って現れる野生動物。

見分け方

体重は50〜150kgあり、短い距離なら時速40km近くで走ります。高知県の資料では、成獣は助走なしで1m以上の高さを飛び越えます。畑や林の縁、炊事場の裏など食べ物のにおいが残る場所に現れ、鼻で地面を掘り返した跡を残します。雑食で、春はタケノコ、秋は堅果、冬は植物の根を食べます。人の少ない地域では昼間も活動し、夜行性は二次的な習性と思われる、と農研機構の資料は書いています。

危険・注意

下顎の牙は鋭く、突進されて太ももを切り裂かれ、大量に出血する事故が起きています。ウリ坊がいるときは近くに母親がいる可能性が高く、福岡県は晩秋〜冬の発情期・出産後・至近距離での遭遇で危険が高まるとしています。Pujolらの論文は、都市に住みつくイノシシによるけがで救急を受診した34人(2020〜2022年)を調べ、傷の部位は下肢が71.9%と最も多く、皮膚を貫く傷を負った人は38.2%だったと報告しています。

出会ったら

追い払おうとしたり、写真を撮ろうと近づいたりしないでください。「シュー」「カッカッカッ」という威嚇音が聞こえたら、背中を見せず、相手を見たままゆっくり後ずさりし、車やトイレ棟など壁で仕切られた場所に入るのが安全です。決して反撃せず、犬連れならリードを放して逃げます。鈴や懐中電灯で人がいると知らせ、食材とゴミは密閉して車に入れます。牙で刺された傷は抗菌薬と破傷風予防が勧められるので受診してください。

出典

  1. 公的機関 兵庫県(2024年12月12日更新)(2024) イノシシによる人身被害防止について
  2. 公的機関 福岡県(2019年4月23日更新)(2019) イノシシに出会ったら
  3. 公的機関 大阪府環境農林水産部動物愛護畜産課野生動物グループ(2009年8月1日更新)(2009) イノシシに出会ったら
  4. 公的機関 高知県(2024年1月31日公開)(2024) イノシシの生態と被害対策について
  5. 公的機関 農研機構(鳥獣害) プロジェクト研究:イノシシの生態解明と農作物被害防止技術の開発
  6. 論文・英語 Pujol O, Nuño M, Minguell J, Selga J, Tomás J, Rodríguez D, Martínez X, Mentaberre G, López-Olvera JR(European Journal of Trauma and Emergency Surgery)(2024) Characterization and treatment protocol of injuries inflicted to humans by synurbic European wild boars (Sus scrofa)

解説動画: イノシシに出会ったときの動き方/boo choco

威嚇しているときのサイン: イノシシは山に住む動物の中でも人里へ下りてくる件数が多い動物である。鼻息を荒くして口をクチャクチャと鳴らしていたら威嚇で、攻撃の準備に入っていると説明している。ただしそのときイノシシのほうも人に怯えており、もともと臆病な動物だとしている。

逃げ道を空けてゆっくり離れる: 出会っても決して背を向けて走って逃げてはいけない。イノシシのほうを向いたまま、イノシシが逃げやすい方向を空けるようにゆっくり移動するのがよいとしている。逃げ場さえ確保できれば、イノシシのほうから去っていくはずだと説明している。

猛獣に出会ったとき共通の考え方: クマやサルを含めた猛獣全般について、落ち着いてその場から離れることが要点だとまとめている。大きな音を立てたり、いきなり走って逃げるのは危険で、陸上の選手でもない限り走って逃げ切ることはできない。また動物の注意は食べ物に向きやすいので、手荷物は惜しまずその場に置いて離れるとよいとしている。そもそも猛獣に出くわさないことに力を注ぐべきだとも述べている。