ヒグマ
危険生物(動物・ヘビ)
ヒグマは、北海道の山で最も警戒すべきクマ。
見分け方
北海道だけに生息する日本最大の陸生哺乳類です。道央の捕獲個体の実測では、成獣のオスは体重150〜260kg、体長165〜200cm、メスは体重90〜130kgでした(栗山町)。植物中心の雑食で、北海道の556頭の胃の内容物を調べた研究では、春は草本類が体積の61〜80%を占めました。知床財団は、見通しの悪い林やササ地、沢沿い、霧や日暮れは互いに気づきにくいと注意しています。
危険・注意
20m以内では、時速60kmで走れるクマから逃げ切るのは困難です(知床財団)。IBA(国際クマ協会)の解説動画によると、北米のヒグマ(グリズリー)の防衛的な攻撃は、ほとんどが死骸や子グマのそばのクマを至近距離で驚かせたときに起きます。一方、米国の国立公園局は、テント内で襲われたり、つけ回された末に襲われたりしたときは獲物と見られている可能性があるとして、反撃を勧めています。
出会ったら
北海道はクマ鈴などで音を出し、複数で歩き、フンや足跡を見たら引き返すよう勧めています。出会ったら走らず、腕をゆっくり振って穏やかに話しかけ、後ずさりして離れます。食料はテントや調理した場所から100m以上離して保管し、テント内で調理しません。突進が止まらず3〜4mに迫ったらクマスプレーを目と鼻へ全量噴射します。スプレーが無いか効かずに襲われたら、うつ伏せで顔と腹を守り、首の後ろに手を回します(知床財団)。
出典
- 公的機関 北海道環境生活部自然環境局野生動物対策課ヒグマ対策室(2026年9月1日更新)(2026) ヒグマ対策室トップページ
- 公的機関 北海道環境生活部自然環境局野生動物対策課(2025年7月29日更新)(2025) 野山でヒグマに出会わないために
- 公的機関 北海道環境生活部自然環境局野生動物対策課(2026年8月6日更新)(2026) ヒグマ注意報について
- 公的機関 栗山町農林課(2025年7月24日更新)(2025) ヒグマの生態と痕跡の見分け方
- 資料 知床財団 出会わないために(ヒグマ対処法)
- 資料 知床財団 出会った時は(ヒグマ対処法)
- 論文・英語 Sato Y, Mano T, Takatsuki S(Wildlife Biology)(2005) Stomach contents of brown bears Ursus arctos in Hokkaido, Japan
- 公的機関・英語 National Park Service(米国) Staying Safe Around Bears
- 動画・英語 International Bear Association (IBA) Staying Safe in Bear Country
解説動画: クマに突進された実体験と、出会ったときの対処/のこのこきのこ
概要:キノコ採りの沢で遭遇: キノコを探して登山道のない沢筋を歩いていた投稿者が、初めてクマに遭遇したときの記録である。下から四つん這いのクマが一直線に突進してきたと語り、胸の白い模様がはっきり見えるほど近づかれたという。叫び声を上げるとクマはUターンして沢のほうへ下っていき、怪我なく済んでいる。
出会ったときにできること: 最初は背を向けて斜面の上へ逃げたが、クマに背を向けた瞬間にやられる、目を見て大声を出せという教えを逃げながら思い出し、正面を向き直って大声で叫んだところ相手が引き返した、と振り返っている。山でできることはこれくらいしかないと述べる一方、自分が上でクマが下だったから引き返しただけで、上から突進されていれば勢いのまま突っ込まれていたかもしれないとも話している。
近くにいるサイン: クマが近くにいる痕跡として2つを挙げている。1つは栗やドングリの木の枝が不自然に折られ、地面に実が大量に落ちていること。クマは木に登って枝を折り落とし、地面でそれを食べるためである。折れた枝の葉がまだ青々としていれば新しい痕跡で、クマが近いと考えてよい。もう1つは糞で、この日は糞が見当たらなかったので風で折れたのかと判断を迷ったと語っている。
入る場所そのもののリスク: 登山道もなく人がほとんど入らない沢は、クマが狭い範囲で暮らしている場所であり、邪魔をしたのは自分のほうだと振り返っている。人が定期的に通る登山道であればクマも分かっていて出てきにくいという見方を示し、痕跡を見つけたら登山道から離れず、大きな声で話しながら歩くことを勧めている。