銅板葺

葺くもの

時代: 明治以降

銅の薄い板を折り曲げて継ぎ、面として並べる葺き方です。年を経ると表面が緑青におおわれて緑がかり、遠目にもほかの金属屋根と分かれます。

どんな形か

銅の薄板の縁を折り、隣どうしを噛み合わせて留めていく葺き方です。長方形の板を並べて横目地を一直線にそろえる一文字葺、屋根の流れに沿って細い角材を入れる瓦棒葺などの割付があります。板が薄くて軽いため、曲面や小さな屋根にも回せます。銅で屋根を包む考え方は近世からあり、愛知県の名古屋城天守や大阪府の徳川大坂城天守は、最上重を銅瓦で葺いていたと伝えられます。

見分けの決め手

継ぎ目の間隔と面の反射、読むのはこの二つです。銅板葺は細い直線の目地が規則正しく通り、その間の面は平らで、光が均一に返ります。新しいうちは赤みのある金属色、年を経ると褐色を通って緑青の緑へ変わり、同じ建物でも雨のかかる面から色が進みます。目地の間隔が広く、面が波打っていれば別の金属板の可能性があり、色の変わり方も違ってきます。

取り違えやすい相手

紛れるのは鉄板葺と、檜皮葺の姿をまねて葺いた銅板葺です。鉄板は塗装で色を作るため、年を経ても緑にはならず、赤錆の点が出ます。金属屋根は銅だけではなく、東京都の江戸城の慶長度天守は鉛瓦で葺かれていたと伝えられます。瓦の形に成形した銅を載せれば銅瓦葺になり、目地が瓦の割付になって細い直線は通りません。

どこに立つと見えるか

見るには距離が要ります。離れた道路や、向かいの建物の高さからのほうが確かです。真下からでは目地の間隔がつぶれ、色の進み方も読めません。離れるほど細い直線が面としてそろって見え、雨のかかる面と当たらない面で緑青の進み具合が違うことまで分かります。塔屋やドームは周囲をひと回りし、目地が一文字葺の横目地か、瓦棒葺の縦の筋かを確かめます。

読みと表記のゆれ

「どうばんぶき」と読みます。「銅板葺」「銅板葺き」のほか、瓦の形に成形した銅を用いる場合は銅瓦葺と書き分けます。指定説明に銅板葺とあっても、当初からの葺き材とはかぎりません。近代の修理で檜皮葺や杮葺から替えた建物があるため、いつ何から替わったかは、所有者や自治体の公式の解説で確かめます。緑青は「ろくしょう」と読みます。