ドーマー窓
窓と開口
時代: 明治以降
屋根の面から立ち上げて、小さな壁と窓をつくる屋根窓です。小屋裏を部屋として使うための開口で、立ち上がりがあるかどうかが天窓との分かれ目になります。
どんな材料・造作か
屋根を切り欠き、垂直の壁を立てて、そこへ窓を入れる造作です。小屋裏に光と風が入り、天井の低い階を部屋として使えるようになります。頭には小さな屋根が載り、切妻造や寄棟造と同じ形が小さく現れ、丸屋根にする例もあります。腰折れのマンサード屋根と組むことが多く、下側の急な面に並べると、外から見て階数が一つ増えたように映ります。屋根に穴を空ける造りなので、雨仕舞いは両脇の谷へ集まります。
見分けの決め手
横から見て、屋根の面から立ち上がっているかどうかを確かめます。立ち上がりがあり、窓が垂直に立っていればこの屋根窓です。小屋裏の部屋割りに合わせて等間隔に並ぶのも手がかりになります。北海道の旧函館区公会堂は桟瓦葺の屋根に窓を上げた例で、東京の東京駅丸ノ内本屋では、屋根の斜面へ小さな窓が横一列に並びます。窓の下端が屋根と交わる線には板金の水切りが回り、頭の屋根が本屋根と同じ材で葺かれているかも見どころです。
いつ頃のものか
明治の洋館から入り、大正から昭和戦前の住宅や学校へ広がります。北海道の旧函館区公会堂は1910年(明治43年)、東京の東京駅丸ノ内本屋は1914年(大正3年)の竣工で、どちらも当初から屋根に窓を持ちます。震災の後に建った看板建築でも三階のマンサード屋根に載る例があり、昭和初期までは小屋裏を使うための定番の手でした。戦後の住宅では小屋裏を部屋にする例が減り、新しく作られる数も減ります。
取り違えやすい相手
天窓は屋根の面へ伏せて付けるので立ち上がりが無く、横から見ると屋根の勾配と同じ面に納まります。越屋根は棟の上へ一段小さな屋根を載せた形で、煙出しのように煙や熱を抜くためのものです。長野の旧開智学校校舎のように、屋根ではなく正面の塔屋へ窓を集めた建物もあります。屋根そのものの形を指す語とも紛れやすいため、形の話か開口の話かを分けて考えます。越しに窓が入れば屋根窓に近づき、境目は明かりを採る開口かどうかで分かれます。