ヒヨドリのピーヨ

街でよく聞く声

ピーヨ、と高い一声を長くのばします。日本野鳥の会は「ピーヨ」「キーヨ」と甲高くのばす声のほか、「ピーヨロイ、ロピ」とも鳴くと記しています。

聞きなし

日本野鳥の会は「ピーヨ」「キーヨ」と甲高くのばす声を挙げ、「ピーヨロイ、ロピ」とも鳴くとしています。文字にすると、語頭を強く出し、そのまま尻上がりに引きのばす形です。人の耳にはヒーヨ、ピーヨと二音に割れて聞こえることも多く、書き手ごとに表記が揺れるのはそのためです。ヒヨドリという名がこの声から来たとする説明も古くからあり、文字を合わせにいくより、一声をどれだけ長く引くかを覚えるほうが、姿の見えない場面で効きます。

さえずりか地鳴きか

さえずりと地鳴きの境がはっきりしない声です。日本野鳥の会の解説はこの声をさえずりとも地鳴きとも書き分けず、鳴き声としてまとめて挙げています。ウグイスのホーホケキョのように節の形が決まった歌とは、そこが違います。季節を問わず一年中、同じ調子で聞こえることから、この本では所在を知らせる地鳴きの側に置いて扱います。繁殖期には節のついた込み入った声も出すため、ピーヨ一本で種までは決まっても、声の役目までは決まりません。

いつ・どこから聞こえるか

一年中聞こえます。日本野鳥の会は市街地から山地の林までいるとしており、住宅地の電線や屋根の上、公園の高い枝から夜明けのうちに鳴き始めます。飛びながら鳴くのが特徴で、上下に波打つ飛び方と声が一緒に動くため、姿を探す前に方向が分かります。国内で季節ごとに動く漂鳥の面もあり、秋には南西へ向かう群れが日中に通ります。その時期だけは、空の高いところから声が降ってきます。

似た声との違い

濁るかどうかが分かれ目です。ムクドリの「キュルキュル」「ジェー」やオナガの「ゲーイ」はしゃがれて濁り、語尾がのびません。ヒヨドリの声は澄んだ高音がそのまま伸びるので、同じ並木から出ていても質で分かれます。秋に重なるモズの高鳴きは「キーッ、キチキチキチ」と刻みが入り、一声を長く引くか、細かく刻むかという一点で離せます。距離があって音色まで届かないときも、この長さの差だけは残ります。

この声で何をしているか

仲間の位置を知らせる声として鳴いています。群れで動く鳥なので、飛び立つ前後や、木から木へ移るときによく出ます。同じ木に別の個体が来ると声が重なって激しくなり、追いかけ合いに変わることもあり、花の咲く木や実のなる木に集まる時期はとくに騒がしくなります。繁殖期の縄張りでは声の応酬がそのまま境目の確かめ合いになり、同じ場所で朝ごとに聞こえるなら、通りすがりではない一羽と見られます。